東京都議会第三回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表して、小池知事及び教育長、関係局長に質問します。
初めに、きのうからけさ方にかけて関東を直撃した台風十五号の影響により、大きな被害が出ました。被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、八十万世帯を超える停電を起こした関東の中でも、島しょ部の停電被害が大きかったとの報告があります。多くは強風による電線の断裂と思われるため、災害対策という観点からも、島しょ地域を初めとした都内各所での電柱の地中化は急務といわざるを得ません。
今回の台風十五号に関する都の対応や知事の受けとめ方並びに電柱の地中化についての考えを伺います。
先日、長期戦略の論点が示されました。その中では平成三十年間の検証として、日本経済の世界における存在感の低下、産業構造、雇用環境の変化、少子高齢化、IT、通信の普及、高等教育の世界的地位の低下など、総じて世界規模の大きな変化に対し、日本、東京が十分に対応できてこなかったことに対する危機感が示されていますが、大いに共感するものです。
今の都政に求められているのは、世界規模の大きな変化の中で、東京二〇二〇大会後も、都民が、きょうよりあすがよくなるという希望を持つことができるビジョンを示し、それに向けた歩みを一歩一歩着実に進めていくことです。
私たちは、引き続き、東京二〇二〇大会を一つのきっかけに、世界最高、最強の都市の実現に向けた取り組みを全力で進めていくことを改めてお誓い申し上げます。
長期戦略の論点の中には、合計特殊出生率二・〇七、待機児童が死語、政治家や企業トップの半数が女性、長寿が世界共通語、世界の見本となる東京モデルの発信など、意欲的な目指す東京のイメージ例が掲げられています。今後さらに議論を深化していく必要がありますが、全国との共存共栄を一層進めるためには、他の地域との対話が必要です。
さらに、論点で示された東京の未来像を実現するためには、法改正、規制緩和、自主財源の拡大など、国レベルでの取り組みも必要不可欠であり、東京の理想の未来像を実現するため、他の道府県や国とも議論を進める必要があります。
今後は、この論点整理をもとに、大局的な観点に立って、東京、そして日本全体の改革につながる長期戦略の策定を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
現在、本年末の策定に向けて、東京ベイエリアビジョンの検討が進められています。この東京ベイエリアビジョンについては、二〇四〇年代を見据えた新たな将来像や、その実現に向けた目標等を明らかにする長期戦略と連動していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
東京デジタルトランスフォーメーションについて伺います。
国が百億円を超える費用をかけて整備した、マイナンバーに関するマイナポータルのサーバーの利用率が想定件数の〇・〇二%にとどまっているなど、日本では行政のデジタル化が十分ではありません。
都は、国に先駆け、ICTの浸透により、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるデジタルトランスフォーメーションを強力に推し進めなければなりません。
先日、小池知事から、TOKYO Data Highway基本戦略として、二十一世紀の基幹インフラは電波の道であり、東京二〇二〇大会のレガシーとして、5Gなどの整備を強力に推進する方針が示されました。5Gの社会実装により、自動運転、ICT教育、遠隔医療など、多くの分野で都民生活の向上が期待されます。この基本戦略は私たちの主張も多く盛り込まれた大変意欲的な内容であり、高く評価します。
5G活用による経済波及効果は全国で約四十七兆円と見込まれていますが、これは東京二〇二〇大会の約三十二兆円を上回るものです。データの安全性確保や、都内中小企業の成長につなげる取り組み等にも配慮しながら、東京のデジタル化を積極的に推進し、一人一人の都民生活の向上につなげていかなければなりません。
こうした中、現在、東京都参与として活躍され、この基本戦略の策定を主導された宮坂参与が、都政の情報通信分野を専管する副知事に新たに就任するという提案が本定例会になされています。
ソサエティー五・〇の実現、そして5Gの社会実装を見据える中で、東京都として、情報通信分野を専管する副知事を今回新たに設ける意義、そして元ヤフー株式会社の社長であり、現在東京都参与を務める宮坂学氏が副知事に就任する狙いについて知事の見解を伺います。
また、先日の基本戦略を起点として、今後、都がソサエティー五・〇の実現、5Gの社会実装に向けた取り組みを推進していくためには、都として、データの戦略的活用やセキュリティー確保に責任を持つ最高データ責任者を置くなど、全庁的な統制のもと、データの活用や管理ができる体制を実現すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
さらに、現在の都の採用職種には、技術職として土木、建築、機械、電気がありますが、新たに通信、テクノロジーといった職種を設けるなど、東京のデジタルトランスフォーメーションに資する人材の登用を推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
東京の都市間競争に勝ち抜くためには、5Gネットワークを構築して、東京に世界最速のモバイルネットワーク網を整備することが必須であり、そのためには民間の通信事業者との間で、スピード感を持った連携関係の構築が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
デジタル通貨について伺います。
知事は所信表明において、都独自のデジタル通貨の発行について言及されました。本事業はさまざまな報道がされており、社会的な関心が非常に高い取り組みであると感じています。都民へのメッセージとして、本事業の内容と知事の思いを伺います。
デジタルディバイド対応について伺います。
都市のデジタル化を進める上で、テクノロジーを利活用できる都民とそうでない都民との間に格差、いわゆるデジタルディバイドが生じるようなことがあってはなりません。
例えば、官民連携により、テクノロジーの利活用に関し、都民の理解を促進する取り組みを実施するなど、デジタルディバイドへの対応を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
ICT教育について伺います。
本年八月に実施された総合教育会議では、ICTを活用した学習について積極的な効果が報告されており、世界と比較しておくれが指摘されているICT教育環境の整備を進めなければなりません。
九七%という都立高校生のスマートフォンの高い利用率を踏まえると、まずはスマートフォンを念頭に、BYOD、つまり個人所有の機器の持ち込みによるスマートスクール構想を進めることも合理的といえます。
今後は、主体的、創造的な学びを深めるために、キーボードの有無や画面の大きさなど、最適なICT機器のあり方を含め、ICTを活用した教育環境の整備を推進すべきです。
総合教育会議の議論を踏まえながら、都立学校におけるICTを活用した教育を推進すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
税務行政のデジタル化について伺います。
水道料金、下水道料金の決済に関しては、私たちの要望を踏まえ、スマートフォン決済が開始されています。税務に関しても、東京都は昨年度、税務相談に関するAIチャットボットを試行し、三カ月で約一万八千件の利用実績があるなど、意欲的な取り組みを開始していますが、全てのプロセスがオンライン化されている例も見られる世界の潮流に乗りおくれることなく、税務行政のデジタル化を進めていかなければなりません。
少子高齢化による人手不足が顕在化する中、納税環境の利便性を向上させ、業務の簡素化、重点化を図るためにも、税務行政のデジタル化を強力に推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
出産、子育て支援について伺います。
子供を安心して産み育てられる子育て環境の整備に当たっては、出産、子育てに関する不安を軽減し、各家庭のニーズに応じ、妊娠期から子育て期にわたって切れ目ない支援を行うことが重要です。
都がこれまで実施してきたゆりかご・とうきょう事業は、都独自支援として、専門職による全員面接を行い、子育て用品等の育児パッケージを配布するなど、私たちのもとにも利用者の方から高い評価の声をいただいており、平成三十年度で四十三の区市町村が実施しています。
今後、産前に加えて産後ケアの側面にも一層力を入れ、ゆりかご・とうきょう事業を継続し、区市町村の取り組みを手厚く支援していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
また、事業の継続、拡充に当たっては、現在実施している四十三区市町村だけではなく、他の自治体も実施しやすい制度的な工夫を行うことをあわせて求めます。
待機児童対策について伺います。
本年四月一日現在の都内の待機児童数の確定値が先日、三千六百九十人と公表されました。これは、小池知事就任直後の二〇一七年四月の八千五百八十六人と比較すると約五七%の減少であり、小池都政の非常に大きな成果です。今後も、待機児童という言葉が死語になるよう、施策をさらに加速していくことが必要です。
多様な子育てニーズに対応するためには、認証保育所等の認可外保育サービスが重要ですが、例えば認証保育所においては、保育士の配置が定員見合いで求められているため、実際に入所した児童数が定員を下回った場合、過剰な人件費財源を確保しなければならないことが経営の阻害要因とされており、実態に即した対応の検討も必要です。
待機児童解消に向けた取り組みを、引き続き量と質の両面から加速させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
子育て応援スペースについて伺います。
私たちの提案を受け、七月末から都営大江戸線の一部車両において、子育て応援スペースが試験的に設置されました。このスペースを利用した保護者の方を初めとして、私たちには多くの賛同の声が寄せられています。先日、私たちが乗車した際には、子育て応援スペースを見た子供たちは、目をきらきらと輝かせていました。
子供たちを社会全体で見守り、育てる社会の実現に向け、非常に社会的意義の大きいものであり、試行の結果を踏まえながら、他の鉄道事業者に対しても、子育て応援スペースの導入を働きかけるべきです。
都営地下鉄における子育て応援車両の取り組みを一層推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
また、電車以外の公共空間、例えばレストラン等の飲食店を含め、子供たちを社会全体で見守り、育てる社会の実現に向けた機運醸成が重要であり、今後も積極的な検討を求めておきます。
AYA世代のがんについて伺います。
がんになったAYA世代の多くは、病気の告知と治療の副作用とともに、将来の不妊のリスクについても限られた時間の中で考えなければなりません。妊孕性温存治療というがん治療をスタートする前に、精子や卵子等を採取して凍結保存し、不妊のリスクに備える治療法もありますが、全額自己負担である費用面で諦めざるを得ない方も少なくありません。
私たちは、これまで多くの場面で支援を要望しており、AYA世代のがんの患者に関する課題認識の実態調査を行い、その結果を年度内に取りまとめ、生殖機能の温存等の多様なニーズに応じた相談支援体制、環境整備などについて検討するとの答弁をいただいています。
他の自治体での支援の取り組みを調査するなど実態の把握に努め、AYA世代のがん患者が必要な治療と支援が受けられる体制の構築を図ることに加え、生殖機能温存の助成を検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
児童相談所一時保護所について伺います。
本年七月に、児童相談所一時保護所において子供の人権侵害が生じているとの報道がありました。これは、児童相談所一時保護所の第三者委員の弁護士が、福祉保健局長及び一時保護所各所長に宛てた意見書について取り上げたものです。
この意見書は、都が委託した第三者委員の弁護士が、各施設の具体的な状況を詳細に報告したものであり、重く受けとめなければなりません。
この意見書の総括には、子供への十分なケアがなされず、不適切な対応がなされる現状の一番の原因として、職員の疲労感にあり、その要因として、定員超過、職員の過重労働、職員の人権感覚の意識の不足が挙げられています。傷ついて保護された子供たちが安心して生活を送れる施設へと改めていくべきです。
この意見書の内容について、福祉保健局は重く受けとめ、職員の疲労感、職員の人権意識といった諸課題に迅速な改善策を講じるべきと考えますが、都の見解を伺います。
スタディークーポンについて伺います。
小池都政では子育て予算は大幅に拡充されていますが、親の塾代負担は依然として高どまりし、塾に行ける子供と行けない子供の教育格差の深刻化が懸念されています。都の貸し付けによる塾代支援は大きな成果を上げてきましたが、塾代の貸し付けは一時的とはいえ、親が塾に先払いする負担感や、制度を必要とする子供たちへの働きかけの面で課題もあります。
さきの予算特別委員会でも触れたスタディークーポンは、対象世帯に対しクーポンを支給するものです。これは子供にアウトリーチしやすいことに加え、学習塾等がクーポンを使用した子供に対し積極的にかかわれるなどのメリットがあり、渋谷区で取り組みが行われています。
都として、こうした取り組みを検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
東京学校支援機構について伺います。
私たちは、教育現場の声を踏まえ、外部人材の活用の予算があっても、部活動指導員などの人材確保が困難であることから、人材バンクをつくるなどの工夫ができないかと要望をしてきましたが、外部人材確保の募集や登録を担うのがこのたびの新財団の役割の一つです。
学校現場の厳しい状況を踏まえ、東京学校支援機構は可能な限り速やかに人材確保の支援体制を確立すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
都内においても、在留外国人の数の増加に伴い、外国ルーツの子供たちも年々増加し、さまざまな課題が浮かび上がってきています。
本年六月に、国において日本語教育推進法が制定され、具体的施策が検討されていますが、都としても、国の動向を踏まえながら、都内の正確な実情を把握した上で、具体的な施策を展開していくことを求めます。
医療的ケア児について伺います。
人工呼吸器を使用する医療的ケア児に対し、東京都は現在、一律の保護者付き添いを求めていますが、文部科学省の有識者会議では、画一的な対応ではなく、一人一人の教育的ニーズに応じた指導の重要性が指摘されています。
私たちが視察した大阪の箕面市では、通学支援により、親の付き添いがなく通学できている子供に笑顔がふえるなど、訪問教育では得られない積極的効果について伺うことができました。
都立特別支援学校において実施する人工呼吸器のモデル事業から得られた知見に基づき、人工呼吸器を使用する児童生徒が保護者の付き添いなしに学校生活を送れるようにすべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
人生百年時代に向けた対応について伺います。
シニア予備軍向けの情報提供について伺います。
私たちは、フレイル対策の観点からも、高齢者及びその予備軍に対し、その後のライフプランをイメージできるよう、就業、社会参加、介護等に関して適切な情報提供を行うことを求めてきました。
加えて、都市のデジタル化にシニアが取り残されないためのICTスキル、保険、金融、終末期医療を含む終活など、人生百年時代に対応した学びの機会につなげていくべきです。
高齢者になる前から就労、フレイル対策など、ライフプラン全般にわたり、自身を取り巻く状況に関する情報を提供すべきと考えますが、都の見解を伺います。
受動喫煙対策について伺います。
いよいよ今月一日から受動喫煙防止条例の第二段階目の施行となり、保育所、幼稚園、学校等における敷地内全面禁煙の努力義務が上乗せされ、また、全ての飲食店において喫煙場所の有無をあらわす標識の掲示が義務化されました。
私たちの要望を受け、去る八月には、知事みずからが調布市長とともに飲食店を訪問し、駅前広場でPR活動をするという共同キャンペーンを実施されました。来年四月の条例全面施行に向けて、今後、より一層、区市町村と連携の上、共同のキャンペーンを実施していただくよう要望いたします。
私たちは継続して、都内の飲食店が八四%を占める条例対象施設への働きかけに関し、啓発員の仕組みを提言してきました。現状の区市町村に対する啓発員の導入支援に加えて、都が独自に区市町村において啓発を補うための啓発員を設けるべきです。
また、区市町村が統一感を持つ普及啓発を実施するため、例えば、都において統一的なユニホームの作成なども行うべきです。
区市町村と連携するなど、効果的な受動喫煙防止条例の普及啓発について、都の見解を伺います。
また、来年度の予算編成に当たっては、指導や罰則の適用に当たる保健所の人員体制の拡充や、その他啓発、指導助言に当たる人員体制の創設を検討するよう要望します。
防犯カメラについて伺います。
町会、自治会、商店街等の皆様のご尽力により、今や必要不可欠な公的インフラの一つになっている地域の防犯カメラですが、今般、私たちの提案を受け、これまでの設置補助費用に加えて、予算に防犯カメラの保守点検費、修繕費に対する新たな都の補助制度が盛り込まれました。
利用者である町会、自治会、商店街などの方から大変好評であり、設置等の要望が殺到していると聞き及んでいる反面、このままでは当初に設定した予算を超過するのではないかというお話も私たちの耳に届いています。
地域の防犯カメラは、今や必要不可欠な公的インフラの一つになっており、補正予算の編成を含め、迅速な対応が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
高齢ドライバー支援について伺います。
私たちは、本年四月の高齢運転者による痛ましい事故の直後、他の会派に先駆け、小池知事に対し要望を提出しました。その後、小池知事から、安全運転支援装置の取りつけ費用に対し、いわゆる九割補助を実施するとの画期的な答弁がありました。この迅速な対応について、私たちのもとに都民から大変多くの高い評価の声が届いています。
今後は、補助制度の申請状況、自動車メーカー等の関連事業者の技術動向などを考慮しながら、次年度以降の安全運転支援装置への補助の継続、拡充を検討するとともに、運転免許証の自主返納の促進など、高齢運転者の交通安全対策についてさらなる検討を求めます。
安全運転支援装置の取りつけを一層推進し、都民の安全・安心を確保するため、チラシやポスターなどさまざまな媒体により、一層の普及啓発を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
超高齢社会に対応した自転車保険について伺います。
私たちは、これまでさまざまな場面で自転車保険の加入義務化の積極的な検討を求めてきており、今般、都が義務化に向け条例改正案を提出したことを高く評価します。
自転車保険の場合、その利用者や加入義務者がどれだけ存在するのか完全に把握することが難しく、また、経済的に余力の乏しい人でも負担なく加入できる保険商品を広くそろえる必要があるなど、普及に向けてのさまざまな課題もあります。
特に、自動車免許証を返納する高齢者がふえることで、自転車に乗る高齢者がふえることもあり得ます。さらに、認知症高齢者に起因する事故により、遺族に損害賠償が求められる事案も発生しています。
高齢者の課題にも対応した自転車保険等の義務化を促進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
ダイバーシティー施策について伺います。
就労支援について伺います。
有識者会議での議論を踏まえて、就労支援に関する条例の基本的な考え方が提示されました。この中では、ソーシャルインクルージョンの考え方に基づき就労支援を行うことや、就労に困難がある方への実情に配慮した支援が盛り込まれていますが、最も重要なのは、ソーシャルファームの創設と、事業活動を認証し支援することが明示されたことであり、これはまさに私たちがこれまで求めてきたものです。
知事の所信表明で、第四回定例会への新条例の提案を目指していく旨が示されましたが、成立すれば全国の自治体として初めての取り組みとなり、高く評価いたします。ぜひとも早期に実効性と具体性のある運用につなげていきたいと考えます。
そこで、知事に、基本的な考え方にソーシャルファームを盛り込んだことの狙いや条例制定に向けた決意を伺います。
なお、今回、認証基準や支援策を盛り込む指針が策定されることが示されて記されていますが、新しい概念であるソーシャルファームを育てていくためには、条例化に当たっては、財政的な支援に加えて、公共調達における優先発注等の行政的支援、あるいは税務的支援についても段階的に実施できるよう検討することを求めておきます。
障害、子育て、シニア、ひきこもり、シングルマザー、病気など、仕事以外の何かを抱えている方々がその人らしく働くことを可能にする就労支援の実現のためには、都内企業がこれまでの仕事の形を変えていくことが重要です。
障害者雇用促進法の雇用率算定では、週に二十時間未満しか働くことができない人は算定の対象外です。この状況に対し、民間企業や一部行政では、二十時間未満の超短時間労働の取り組みを進めています。
これは障害者雇用を念頭に置いた取り組みですが、シニアやシングルマザーなど、長時間労働が困難な他の働き手にも共通する課題です。
超短時間労働の考え方を参考に、例えば、これまで一人が担ってきた仕事を複数人でシェアする、短時間でできる仕事の切り出しをするなど、時間的な制約を抱える方が就労できるよう、都内企業の取り組みを後押しすることが重要と考えますが、都の見解を伺います。
人権施策について伺います。
昨年制定された人権尊重条例に基づき、先般、都から、性自認、性的指向の具体的施策に関する基本計画の素案が示されました。そこでは、課題認識として、当事者の多くが家族を含め誰にも相談できず、一人で悩みを抱え、孤立しがちである点が指摘されており、特にこれまでの電話相談では若年層からの相談件数が少ないとされています。
今回の素案の中で、私たちが求めてきたとおり、性自認、性的指向に関するSNSを活用した専門相談の実施の検討方針が示されたことを高く評価します。
SNS相談の活用を通じ、一人で悩む当事者の声なき声へ積極的にアプローチすることで、そこから先の社会資源に結びつけていくことが可能となります。同じ悩みを抱える仲間がいることを知ることも、みずからの承認につながっていきます。
そこで、相談の先を見据え、同じ悩みを持つ当事者と出会い、ロールモデルを見つけることができる仕組みづくりを強力に推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
この基本計画は、東京二〇二〇大会の開催等による都民の認識、社会情勢の変化に伴い、都庁内外の取り組みを積極的に見直し、強化していくべきことを求めます。
ひきこもり支援について伺います。
私たちの要望から、今年度より、ひきこもり支援が福祉保健局の所管に移りました。今年度、ひきこもりサポートネットにおいて、相談体制の充実と、三十五歳以上の方への訪問事業が開始され、大いに期待されます。また、私たちからも要望してきました支援協議会が設置されます。
介護支援を行う事業者が家庭内にひきこもりの家族がいる実態に直面することも多く、福祉保健局の持っている資源を横断的に活用しながら支援につなげていくことが求められます。
今後の東京都ひきこもりに係る支援協議会において、当事者の声がしっかりと反映された、家族会と当事者を含んだネットワーク体制の構築について重点的に議論されるべきと考えますが、都の見解を伺います。
犯罪被害者等支援について伺います。
都は先月、犯罪被害者等支援条例の構成に関する基本的考え方を公表しましたが、都が着実に検討を進めている点を評価しますが、被害者の方々からは、条例の名称を支援ではなく基本的権利性を強調したものにすべきとの声も伺っています。
必要な支援を適切に提供していくためには、警視庁、区市町村、民間支援団体、医療機関等の関係機関のさらなる連携強化が不可欠です。次期計画を待つことなく、速やかに支援の充実を図るよう求めます。
昨今、川崎市で小学生等の殺傷事件が、また、京都でアニメーションスタジオへの放火殺人事件が発生し、多くの方が犠牲となりました。改めて、お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、被害者の方の一日も早い回復を願ってやみません。
このような大規模な事件では、ケアを求める被害者の方々は多数に上り、また、精神的ショックも大きく、苦しみも長く続くことは想像にかたくありません。
行政による被害者支援もこうした状況を踏まえた体制の構築が不可欠であり、条例にも明記すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
本年七月、東京都は再犯防止推進計画を策定しました。今後は、計画の実効性を確保するための取り組みが極めて重要です。
犯罪の中でも、薬物事犯、万引きなどの窃盗犯、性犯罪、特に小児性犯罪などは常習性、依存性によって繰り返し同種の再犯に及ぶ事例が多く見られる犯罪類型といえます。
特に、このような常習性、依存性のある犯罪の再犯防止を重視しながら、再犯防止計画の実効性を確保するための取り組みが重要と考えますが、知事の見解を伺います。
都市力の強化について伺います。
防災対策について伺います。
小池都政のもと、女性の視点による防災対策の推進、区市町村庁舎における非常用電源確保、無電柱化の推進、要配慮者対応、豪雨対策、防災アプリの活用など、さまざまな取り組みが着実に進展しています。
五年ぶりに都の震災対策の根幹となる地域防災計画震災編が修正されるなど、私たちがこれまで求めてきたさまざまな防災施策が都の計画に迅速に反映されていることを高く評価します。
先日、イギリスの経済誌エコノミストの都市安全性指数二〇一九において、東京が三回連続で世界一に選ばれています。
一方、いつ発生してもおかしくない自然災害に対して、都民一人一人の防災意識の向上、とりわけ幼い子供等を持つ親世代の防災意識を高めていくことが大きな課題です。
これまでの防災ブックや防災アプリの作成に加え、より一層、こうした世代への防災意識の向上に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
ことしに入ってからも、震度六弱以上の地震だけで複数回発生しています。東京においては首都直下地震の発生が懸念されており、セーフシティーの実現のためには、震災時に応急活動の拠点や避難所などになる公共建築物全てについて着実な耐震化が不可欠です。
都が所有する防災上重要な公共建築物の耐震化を一層進める必要がありますが、都の見解を伺います。
昨年七月に西日本を中心に大きな被害をもたらした豪雨は、東京でもいつ発生してもおかしくない状況であり、さらに、ことしも九州北部を中心に記録的な大雨が発生しています。こうした豪雨から首都東京を守るためには、水害に対する都市としての強靱化を進めていくべきと考えます。
昨年の防災事業の緊急総点検で示された浸水被害の防止に大きな効果を発揮する調節池の整備を加速的に進めるべきと考えますが、都の今後の取り組みについて伺います。
バリアフリー化について伺います。
バリアフリーの推進は、東京二〇二〇大会の一つのレガシーとされなければなりませんが、都内にはまだ多くのホームドア未整備の駅が存在し、転落事故も発生しています。また、バリアフリールートが遠回りを余儀なくされる不便なものであるなど、さらなるバリアフリー化の取り組みが求められています。
特に、ホームドアの整備に関し、私たちは、都の補助の対象外である利用者十万人未満の駅に対しても補助を拡大するよう繰り返し強く求めてきました。
こうした中、本年七月、都は、整備のさらなる加速に向けて、利用者十万人未満の駅に関し、優先して整備すべき駅の考え方を検討、公表したことを高く評価します。
今後、優先整備の考え方に基づき、利用者十万人未満の駅に対するホームドア設置、利便性の高いバリアフリールートの実現に向け、都の支援を拡大すべきと考えますが、都の見解を伺います。
新客船ターミナルについて伺います。
東京国際クルーズターミナルの開業後は、多くの客船が利用する予定と聞いています。私たちは、これまでも積極的な客船誘致を行うよう求めてきましたが、その取り組みが結実しつつあるものであり、評価します。
開業時の勢いを持続させ、東京国際クルーズターミナルのさらなる利用促進を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
また、大会期間中に多くの客船が入港し、青海地区に多数の人々が訪れますが、この機会を捉えて、この新客船ターミナル近くの船着き場を活用した舟運活性化についても検討すべきことをあわせて要望します。
空き家対策について伺います。
平成三十年の調査では、都内の空き家数、空き家率ともに、前回調査と比べていずれも微減でしたが、依然として都内の空き家数は八十万戸を超えています。
都はこれまで、財政や人材面で厳しい区市町村に対する支援を主に行ってきましたが、より主体的な取り組みも必要です。
今後は、これまでの区市町村支援の取り組みに加え、都が空き家対策をより積極的に展開していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
旧こどもの城について伺います。
本年六月、旧こどもの城の土地建物を東京都に対し売り払うことについて適当と認める答申が示されました。かつてのこどもの城が果たしてきた役割を踏まえつつ、ダイバーシティーの実現に向けた複合施設を創出するという構想を実現するための重要な第一歩です。
現在、各分野での詳細検討を進めていると伺っていますが、こうした分野横断的な各施設が一体感を持ち、有機的に連携していくものとすることが非常に重要です。
現在進めている庁内検討をより具体化し、横串を通して運営に当たっていくためには、かつてのこどもの城が果たしてきた、子供たちにさまざまな経験を提供することで健やかな成長を促すという役割を踏まえ、利用者目線に立った現場重視の姿勢から、さまざまな方の意見に耳を傾けながら検討を進める必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
行財政改革について伺います。
二〇二〇改革について伺います。
先日発表された長期戦略の論点において、定型業務の大半をAIが担い、職員は政策のイノベーションに注力することや、世界レベルの課題解決の先頭に立つなど、二〇四〇年代に目指すべき都庁のイメージと、その実現に向けた二〇三〇年までの課題も掲げられています。
都政改革のこれまでの成果をエビデンスベースで総括し、改革を進化させていくとともに、今後は仕事の仕方を変え、それに伴う制度を抜本的に見直すなど、新たな視点での改革が必要です。
新たな視点での改革を行い、都民がその効果をより実感できるものとしなければなりませんが、新たな都政改革の推進に向けた知事の見解を伺います。
都立病院改革について伺います。
今回の都の長期戦略の論点では、東京の医療課題とその対応に向けて、都立病院の改革を推進することが示されました。
災害時の医療や採算性の観点から、民間医療機関だけでは十分な医療が提供されない周産期医療や救急医療といった行政的医療等について、都立病院に課せられる役割は極めて重要です。
一方で、現在の経営形態の状況では、患者のニーズに応じた柔軟な人員配置に時間を要する、医師の兼業が原則禁止されており、都立病院の医師が民間病院からの技術支援要請に応えられない、予算の単年度主義の縛りにより経済合理性を十分に発揮できないなどのさまざまな課題が存在しています。
現状約四百億円という一般会計から病院会計への繰入金が高齢化の進展とともに増加することが想定され、都立病院の経営の抜本的な改革が必要不可欠です。
このような状況の中、都立病院経営委員会からは、経営形態の変更を検討すべきと提言が出されています。都政改革本部においても、経営形態のあり方の検討を進めていくとされていました。
都立病院には、将来にわたり行政的医療に率先的に取り組むことが求められ、経営形態のあり方の検討に当たっては、医師や看護師などの医療現場で働く職員の理解を得ながら、行政的医療を安定的に提供し続けることを前提として検討を進めることが重要です。
このような視点を踏まえ、東京大改革を進める観点から、都立病院改革を一層進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
市場の経営計画について伺います。
食品流通や企業経営、財務、会計の専門家の方々から構成される市場の活性化を考える会が立ち上げられ、中央卸売市場の経営計画の策定に向けた動きが開始しました。各市場の特徴等に応じた市場活性化の取り組みや市場会計の持続可能性の確保に向けた取り組みなどに関する、これまでの延長線上ではない、専門家による広範かつ具体的な議論を期待いたします。
市場の基本的機能を維持充実させていくことに加え、市場会計を持続可能なものとしていくためには、民間的経営手法や外部監査の導入のほか、他の自治体の例にも見られるように、施設の有効活用の視点も極めて重要です。
東京都の中央卸売市場の経営計画の策定に当たっても、施設を有効活用し、中央卸売市場会計の財政基盤の強化を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
水道事業の運営体制について伺います。
東京都発注の浄水場排水処理委託に関して、東京都水道局は昨年十月に、公正取引委員会による立入検査を受けた件について、本年七月、公正取引委員会から改善措置要求を受けました。
そこでは、複数の職員による事業者への情報の漏えいの事実が指摘されています。事業者への情報漏えいなどの不正行為は決して許されるものではありません。
失われた信頼を回復させるため、改善措置要求を受けて、早急な対応とともに抜本的な運営体制の改革を進めるべきですが、都の見解を伺います。
ラグビーワールドカップ、東京二〇二〇大会について伺います。
いよいよラグビーワールドカップ日本大会の開幕が目前に迫ってきました。大会に向けた準備の総仕上げを行い、ワールドカップを成功におさめるとともに、それを、東京二〇二〇大会の成功とその後の東京の発展につなげるための取り組みが必要です。
ラグビーワールドカップの観客は、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアが中心となる見込みであり、その市場をターゲットとした観光プロモーションが特に重要です。
また、ラグビーワールドカップは、日本全体で開催されるものであり、共存共栄の一環としての日本各地と連携したPRも重要な取り組みです。
ロンドン大会の成功事例も参考にしながら、ラグビーワールドカップの流れを東京二〇二〇大会につなげて、戦略的に観光プロモーションを進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
暑さ対策について伺います。
東京二〇二〇大会まで一年を切り、多くのテストイベントが実施されていますが、最大の課題の一つが暑さ対策です。テストイベントでは、さまざまな暑さ対策が試行されましたが、本番ではその結果も踏まえ、最も費用対効果の高い暑さ対策を実施する必要があります。
参加した医師からは、熱中症対策における日陰の重要性が指摘され、私たち自身も現場で日陰の重要性を改めて実感しました。環境省のガイドラインでは、ひなたと比較した場合、体感温度は木陰の方が七度程度低いとされ、日陰の重要性が指摘されています。
テント、人工日よけや日陰の整備など、競技会場周辺において日陰をつくり出すための取り組みを強力に推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
なお、都が責任を持つ競技会場周辺のみならず、組織委員会が責任を持つ競技会場内においても日陰をつくり出す取り組みは極めて重要です。都から組織委員会に対し、競技会場内についても合理的な対応を行うよう、強く要請することを求めます。
暑さは東京二〇二〇大会のときだけ問題になるのではありません。世界的に気候変動による影響が問題視される中、都民の快適な生活を維持するための暑さ対策を都市の競争力の重要な要素の一つと位置づけ、対策を進めるべきです。
さらに、大会で活用したテントや人工日よけなどについて、地域や学校などさまざまな現場で利用できるよう、ノウハウを提供していくことも重要です。
暑さ対策を東京二〇二〇大会のレガシーの一つと位置づけ、局横断的な取り組みを可能にする体制を整備するなど、大会後を見据えた長期的な暑さ対策につなげるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
交通混雑緩和策について伺います。
七月下旬に、東京二〇二〇大会時の交通混雑緩和に向けた取り組みが試行されました。
その結果、一定の交通量の低下は見られたものの、さらなる取り組みが必要であるとして、国、組織委員会、そして、都において、首都高のロードプライシングを実施する方針が合意されました。
これまで私たちは、ロードプライシングを実施する場合には、都としても、大会の成功に向け、都民生活、企業活動への影響を必要最小限に抑えながら、実施への理解と協力を得ることを要望してきましたが、今般、物流関係や福祉関係の車両が対象外とされたことは、私たちの求めに合致するものであり、評価します。
今回のロードプライシングの取り組みは都民生活に大きな影響を与えるものですが、東京二〇二〇大会を機に交通需要マネジメントが定着すれば、慢性的な都心の混雑を緩和するレガシーにもなり得る積極的な意義もあります。
今後は、ロードプライシングの実施への理解と協力を得るため、都民、事業者に対して積極的な情報提供と丁寧な説明を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
首都高のロードプライシング以外にも、会場周辺の交通規制に関して、早目の情報提供を行うことが関係者への影響を必要最小限に抑えることにつながります。
都は、会場周辺の交通対策素案を六月に公表し、基礎自治体や物流事業者などに説明を行っていますが、十月下旬ごろを目途に最終案をまとめ、年内に策定予定の輸送運営計画V2に盛り込む予定と承知しています。
引き続き、基礎自治体、市場関係者を含む物流事業者等に対して丁寧に説明し、ホームページの機能向上やメールの活用など、早期かつわかりやすい情報提供に努めることを求めます。
さらに、仮に東京都の発注工事において、東京二〇二〇大会開催中の交通対策によって工事の一時中止等を余儀なくされる場合には、事前にしっかりと広報、周知活動を行うとともに、費用負担を含む対応が必要と考えますが、都の見解を伺います。
聖火リレーについて伺います。
これまで私たちは、都内全区市町村で聖火リレーを実施するとともに、一人でも多くの都民が聖火リレーにかかわることができる措置を求めてきました。今般、オリンピックの聖火リレーに関し、グループランナーやサポートランナーの実施が決定されたことは、私たちの要望が実現したものであり、高く評価します。
本年第二回定例会において小池知事から、オリンピック・パラリンピックの聖火リレーに関して、都内区市町村が独自に行う大会の盛り上げの取り組みなどに対し、都が財政支援を行うことが示されました。
今後は、都内区市町村の大会の盛り上げの取り組みなどの機会も活用しながら、一人でも多くの方が聖火リレーにかかわることができる取り組みを一層進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
子供の東京二〇二〇大会の観戦機会について伺います。
都内の子供たちに大会の観戦機会を確保することは、オリンピック・パラリンピック教育の総仕上げとして重要です。その一環として、あらかじめ、学校の授業等で観戦に行く競技の詳細について、児童生徒に教えていくことが有意義です。
観戦チケットの手配のみならず、子供の年齢への配慮、車椅子対応、暑さ対策など、子供たちの個別の事情に十分に配慮しながら、観戦の機会が子供たちにとってすばらしい記憶として残るよう、さまざまな対応を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
また、私たちのもとには、現状では、幼稚園に通う子供たちは観戦機会が得られる一方、保育園に通う子供たちは観戦機会が得られない点について、公平性を保つべきとの声が届いています。
公平性を保つ観点から、幼稚園に通う子供たちに加え、保育園児などの未就学児にも観戦機会を確保すべきと考えますが、都の見解を伺います。
障害者への情報保障について伺います。
オリンピックのチケットの購入方法について、説明をする点字資料がないという報道がありました。競技会場や会場までのアクセスをバリアフリーにするだけでなく、大会が始まる前から、障害のある方への情報保障の環境を整えなければなりません。
東京二〇二〇大会における視覚障害者への情報提供についてどのような対応がなされているのか、都の見解を伺います。
GAP認証について伺います。
東京都は、農業者によるGAP認証取得を支援するなどして、東京二〇二〇大会における都内産農産物の提供に向けた取り組みを進めています。大都市東京において継続的に都市農業を推進する上では、東京二〇二〇大会後も、GAP認証取得が農業者にとって重要な位置づけにあることが認識されなければ、一過性の施策に終わってしまう可能性があります。
東京二〇二〇大会後も、GAP認証の取得が農業者にとってインセンティブとなるような取り組みが必要と考えますが、都の見解を伺います。
また、東京二〇二〇大会で東京を訪れる海外の選手や大会関係者に対し、東京の伝統文化の魅力を伝えることは、大会後も継続的に東京、日本への観光を増加させることにつながります。
大会期間中、外国人に高い人気を誇る相撲文化を紹介する展示が江戸東京博物館で予定されていますが、それも含め、選手や大会関係者に対し、都立文化施設へ足を運んでもらうための取り組みの充実を求めます。
パラリンピックの機運醸成について伺います。
先日、パラリンピックの一年前セレモニーが実施されました。小池知事も常々おっしゃっているように、パラリンピックの成功こそが東京二〇二〇大会の成功と捉えて準備を進めていかなければなりません。
そのためには、時にオリンピアン以上で超人的とされるパラリンピアンの魅力とともに、パラリンピアンのスポーツ以外の場面にも光を当てるなど、パラリンピックと障害者との間を積極的につなぎ、共生社会の実現を目指すことが重要です。
谷垣禎一氏が名誉顧問を務める東京二〇二〇パラリンピックとバリアフリー推進に向けた懇談会と連携するなど、さまざまな機運醸成に取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
障害者スポーツの国際大会について伺います。
私たちはかねてより、東京二〇二〇大会を契機に、パラリンピック種目のみならず、聴覚障害者や知的障害者の方が対象となるデフリンピックやスペシャルオリンピックスについても光を当てる必要があると訴えてきました。
東京二〇二〇大会後に、そうしたトップアスリートが集う障害者スポーツの国際大会を東京で開催することは、障害者スポーツ振興のために重要と考えますが、都の見解を伺います。
東京二〇二〇大会の警戒体制について伺います。
大会には、全世界から多くの要人が東京を訪れることが見込まれています。大規模災害への備えなどについて、ことしのテストイベントの結果を踏まえ、本番に向けた万全の警戒体制の整備が必要です。
東京二〇二〇大会に向けた東京消防庁の警戒体制について伺います。
東京湾の水質改善について伺います。
本年八月に開催されたテストイベントであるパラトライアスロンのワールドカップでは、競技会場のお台場海浜公園のスイムコースの水質が悪化したとしてスイムが中止されました。来年の本番に向けて、東京湾の水質に多くの関心が集まっています。
円滑な競技運営に責任を有するのは組織委員会ですが、大会の競技環境を整えるという点において、ホストシティーである都は、組織委員会と緊密に連携することが必要です。
私たちの島しょ政策研究会では、地元から神津島村の砂を有効活用すべきとのご要望もいただいています。また、水質の改善には活性炭などの吸着剤も効果が期待されます。
来年の大会期間中は、水中スクリーンを三重にして強化した水質改善対策を行うと伺っていますが、開催都市として良好な水質を提供することは非常に重要であり、大会の成功に向けて、組織委員会との連携強化を行いながら、都としてさらなる対策を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
組織委員会との連携について伺います。
大会経費については、これまでもその膨張傾向の妥当性や情報公開の質が問われてきました。小池知事が都立三施設の見直しにより約四百億円の削減を行ったことは、単にその金額の削減にとどまらず、その他の場面においても不合理な経費の膨張を許さない姿勢を強く示したものと評価できます。
現在、大会経費の分担試算は、組織委員会が六千億円、東京都が六千億円、国が一千五百億円ですが、組織委員会が負担し切れない分の財政責任は、最終的には東京都が負わなければなりません。私たちが第一回定例会で指摘したとおり、開催が近づくにつれ、不合理な経費の膨張が生じないよう、組織委員会に対して、引き続きしっかりと働きかけを行っていくべきです。
一方で、大会後に黒字が発生した場合には、開催都市として東京のレガシーにつなげていくことも必要です。
また、現在、暑さ対策が最大の課題となっていますが、開催時期に関しては、IOCが大会招致の立候補受け付け手順書の中で、オリンピック大会を開催すべき期間として七月から八月までの期間を示し、その期間内で開催時期を選ぶように定めていました。この点に関し、東京の夏をアスリートにとって理想的な気候であると明記した立候補ファイルの中身の妥当性には疑問が残ります。
さらに、都の新規恒久施設の建設費について、立候補時の見積もりから大幅に増加しています。
これらのことを踏まえると、招致委員会や招致活動に対する都の関与のあり方を改めて検証しながら、組織委員会と向き合っていかなければなりません。
大会の開催まで残り一年を切り、東京都は、大会の準備と運営の主体である組織委員会とともに、大会の成功に向けて全力で取り組まなければなりません。
しかし、大会には都民の多額の税金が投入されている以上、組織委員会が責任を有する大会の準備と運営に対して、都民の利益に基づく民主的コントロールを強化する必要があります。
改めていうまでもなく、組織委員会は、東京都の出資等比率は五〇・〇%、常勤職員の三分の一以上が都派遣職員であり、都の事業協力団体と位置づけられています。都は、事業協力団体に対しては、法令等による適切な関与や、当該団体との協力強化に向け、必要な関与を行うこととされています。
都は、事業協力団体である組織委員会に対する適切、必要な関与として、組織委員会が責任を有する大会の準備と運営に対しても、連携体制を一層強化し、ホストシティーとして関与を強めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
以上で私の代表質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。