18年 第1回定例会 予算特別委員会総括質疑 平成18(2006)年3月15日

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に変更があることがあります。
私は都市計画道路と青少年対策について伺います。

都市計画道路について
始めに都市計画道路について伺います。
 都市計画道路については、区部の都市の道路ネットワークを形成するために都が整備に努め、着実に成果を挙げていることは評価しています。
 しかしながら完成率が約6割弱にとどまっていることも事実です。
Q1
 まず都市計画道路環状第3号線と交差する補助第94号線、不忍通りの文京区部における進捗状況を伺います。
○不忍通りの拡幅事業については重要な路線でもあり、比較的順調に進捗していることは結構なことだと思いますし、共同溝により電線の地中化を図るなど歩道整備の上でも貢献しています。また車道舗装が行われるまでの間、近隣町会などの要請で防災倉庫を置かせるなど一時的であれ地域に協力していることも評価しています。
○環状第3号線との結節部については、事業化されていないことから計画線上も歩道化をして補助第94号線の整備をいったん完結させるということだと理解しています。
 現在、都は区市町村などが行う木造密集地域整備事業(いわゆる木密事業)に対し補助金を出す事業を行っています。この事業は各地で防災効果を高めていると認識していますし、また来年度は整備地域の民間木造住宅の耐震改修についても助成事業を開始するなど木造密集地域に対する防災力を強化しようとしており、高く評価しています。
 しかしながら、都市計画道路との関係で木密事業の計画をうまく立てられない地域も出てきているようです。
 そこで伺います。
Q2
 都市計画決定された道路、環状第3号線上において、たとえば建築物の建て替えに対して、木造密集地域整備事業による補助が可能であるかを伺います。
○補助要綱には計画線上の建築物に対する補助が出来ないとは書いていませんが、間もなく道路になるところに補助することは予算の使い方として問題なのではないかという意味だと解釈させていただきます。
○この環状第3号線は、文京区の中でも特に木造住宅が密集している根津という街を貫通するかたちで計画されています。
 文京区の根津地区は関東大震災・第二次世界大戦を生き抜き、今なお下町情緒あふれる古き良き街並みを残しており、多くの都民が訪れ、また愛されている街です。
 現在、都が東京都震災対策条例に基づいて5年おきに地震に関する地域危険度測定調査を行っていますが、その調査結果において根津2丁目は倒壊危険度ランクが最も危険な「5」となっています。文京区内では他に5はありません。しかも町丁目別ランキングでは全5,073町丁目中、第3位となっています。
 根津より上位となっている地域においては木密事業などが行われている地域もあり、今後、根津が上位になっていくことは明らかです。
 「防災都市まちづくり推進計画」に定める整備地域に指定されていても、建物倒壊危険度が「5」ではないところがたくさんあるなかで、危険度「5」のこの地区がまちづくり事業を行いにくい地域になっています。
○過去、文京区ではこの地域で木密事業を実施しようとしたことがありましたが、事業化にはいたっていません。この地域を木密事業などのまちづくり事業地域に指定できないのも、この計画道路と関連があります。
 なぜならば、根津の街を真っ二つに分ける計画線が存在する以上、補助が得られない計画線を含んだ地域で事業を行うことは住民の理解を得られないからです。
 また環状第3号線が事業化されれば計画線上はもちろんですが、沿道についても用途地域や容積率、建蔽率などを変更する必要が発生しますので、この問題が決着しない限り、まちづくりに着手することは難しい状況です。
○現在なかなか有効なまちづくりが出来ない中で、何とか地域として一緒に考えようということで専門家を招いて「まちづくり勉強会」が最近始まりました。将来は「まちづくり協議会」として事業計画をしていこうとしているわけですが、この勉強会の中でも根津の一体的な街づくりには「やっぱり環状第3号線がネックになる」と言われています。
○この環状第3号線については昭和21年の計画決定以来、なかなか事業化が進まず、昭和40年に戦災復興区画整理事業として春日通りから千川通りにかけての延長約418mが完成しているに過ぎません。
○昭和54年に都が「東京都都市計画道路再検討の素案」を作成する際に、住民から計画廃止を求める陳情が文京区都市計画審議会会長あてに提出され、昭和55年には文京区から「環状第3号線については地形・環境問題などで住民の理解と合意が得られず、同意しかねる」旨の回答がなされています。
○その後「東京都都市計画道路の変更」についての照会についても、文京区都市計画審議会の答申を受け、「関係住民に計画廃止を要望する意見が多く、区議会からの意見書も考慮して対処するよう」回答されています。
また文京区長から「区及び区民にとって重大な問題であるので、今後当区における実情をその背景について十分考慮し、再考されたい。」との要望書が提出されています。
○その後大きな動きもありませんでしたが、平成16年になって「区部における都市計画道路の整備方針」を策定する際に、文京区の意見として「市街地を貫通していることから、関係住民の理解を得ることが難しく、文京区の実情を十分に斟酌して欲しい」との説明があったと聞いています。
○その後「区部における都市計画道路の整備方針」が3月に示されましたが、この中の「必要性の検証」のなかで、「見直し候補区間」が示されていますが、環状第3号線については、補助第95号線とともに、「日暮里・谷中地区」のまちづくりを検討するなかで、整備の実現に向けて道路線形・幅員・構造形式などを見直し検討することとされていますが、
Q3
 環状第3号線そのものの必要性についてどのような検証がなされたのか伺います。
○今、必要性の検証についてご答弁がありましたが、検証を行うことは評価すべきものだと思いますし、道路ができれば一定の効果があることは理解できます。
 しかしながら、この環状第3号線文京区部は1900年の歴史と国宝の社殿を持つ根津神社を始め、歴史ある5つの寺社を通り、東京大学を始め幼稚園・小学校・中学校またわが国最古の歴史を持つ徳川家ゆかりの薬草園である小石川植物園をぬけ、新渡戸稲造旧居跡を通り新目白通りに至ります。
 この間約1000世帯にも及ぶ住民が立ち退きを余儀なくされます。
 これら全ての施設や住民の立ち退きを求め、事業化することは、関係者の理解を得られず、極めて困難だと思われます。
 また事業開始後、沿道の再開発や建て替えが進むと、どれほどの住民に影響が及ぶのか想像もつきません。
○都は計画線上の建築制限を緩和しました。このことは評価していますけれども、計画決定以来60年を経て今なお建築制限がかけられていることには変わりがありません。
 この住民の皆さんを一日も早く建築制限から解放するためにも、
Q4
 環状第3号線文京区部については計画の見直し行うべきだと思いますが、所見を伺います。
○非常に難しいということについてはご認識をいただいていると思いますが、現状をさらに申し上げますと、この環状第3号線については延長418mの一部だけが完成しているわけですが、この部分については文京区が、平成4年から6年にかけて、2m幅であった中央分離帯を10mに拡幅し、さくらの並木を植栽し、水を流して人工渓流を作り、彫刻を設置するなど、区民が散策を出来るように憩いの場として整備をしました。
 この事業は、個性的で魅力ある地域整備ということで、建設大臣から「手づくり郷土賞」を受賞しています。
○間もなくこの場所で文京区の花の5大まつりのひとつである「さくらまつり」が行われます。
 このまつりには10日間に7~8万人もの観光客が訪れ満開のさくらを楽しみます。
 もし事業化する場合は、おそらくこの遊歩道も廃止して車線を確保することになることと思われますが、とても住民の理解を得られるものではないと私は思います。
○そこで計画廃止ができない場合でも構造などの見直しに当たって、地下化ではどうなのかについて伺いたいと思います。最近、地下化で事業化をめざすケースが増えています。
 外郭環状道路がそのいい例ですし、この議会で環状5-1号線についての質問があったと思います。
Q5
 そこで地下化をすると仮定した場合、この環状第3号線についてはどのような課題があるのかを伺います。
○地下化にはさまざまな観点からの検証が必要なことは理解できますし、文京区おいても春日通りや白山通りなどとの交差や、地形から地下水の影響も大きいとは思いますが、ぜひ前向きな検討をお願いします。
○この環状第3号線と同様に事業化困難と思われる地域が区部のみならず、三多摩地域にも多くあるという話を同僚議員からも聞いています。
○昨日もオリンピックと三環状道路の関係が議論になりましたが、私は三環状の完成は都全体への効果が大きく、必要だと思っていますし、住民の皆さんの理解を得ながら、早期の促進を期待していますが、都内に多く存在する様々な理由で事業化に至れない計画道路については評価の観点に「実現性」などを取り入れ、更なる見直し候補として検討し、計画の見直し、構造・工法などの再検討を行うべきだと思います。
○オリンピックを契機に事業化の見込みの立つところと見込みの立たないところを峻別し、一日も早く結論を出し、出来るところは一刻も早く事業に着手し、出来ないところは計画を見直し、地域住民の理解を得ながら、基礎自治体が街づくりをしやすいようにすべきだと思いますが、
Q6
 都市計画道路全般の見直しについて所見を伺います。
○都が何度か都市計画道路の見直しに取り組んできたことは、先ほども触れたとおり承知していますし、評価もしています。 
 しかしながら、建築規制がかかったまま60年を経過してしまったこともまた重い事実だと思います。
 都市計画は100年かかるといわれますが、このままでは100年経っても計画が完了しないのではないかと思います。
 100年経ってから出来ませんでしたので規制を解除しますでは住民の理解を得られないと思います。
 今後も適切な見直しを要望してこの質問を終わります。
青少年対策について
次に青少年対策について伺います。
○つい先日も、都内の中学2年生の少年が、自宅に放火し、生まれたばかりの妹の生命が失われ、両親も重傷を負うという事件が発生しました。
少年犯罪の問題は、ひと時ほどセンセーショナルに報道されることは少なくなりましたが、依然として根本が改善されたといえる状態ではないと思います。
Q1
 少年による凶悪犯罪が相次いで発生していますが、最近の少年犯罪情勢についての知事のお考えを伺います。
○知事の発言にもあったように、少年を犯罪や非行に走らせることなく、健全に育てることは、われわれの社会にとって大きなテーマであると思います。
 先日、警察庁が発表した「少年非行の概要」によれば、刑法犯少年は12万3,715人で、8.3%の減少であったということです。
 警察庁の発表は、全国の数字ですが、
Q2
 昨年の東京都内の少年非行情勢について、どのようであったのか伺います。
○今、都内の刑法犯少年の検挙人員が減少しているという話がありました。
 検挙された少年の数が減少していることは、少子化という背景があるとはいえ、非行防止に向けた取り組みのひとつの成果であると評価できると思います。
 しかしながら、平成17年度に入ってから、都立高校生が両親を殺害した事件や、同級生を殺害した事件などの重大な事件が相次いで発生しており、また先ほど触れた中学2年生が自宅に放火するという事件もありました。
 こうした重大な事件が依然として起こっていることを見ると、検挙された少年の数が減っているといっても、少年の非行防止、健全育成に向けた取り組みを一層強力に進めていかなければならないと思います。
○そこで、先に触れた警察庁発表の少年非行情勢についてですが、新聞報道によると、刑法犯少年の数が減る一方で、再犯者が3万5,509人に達し、再犯者率が28,7%となり、平成に入って最悪であるとのことであります。
特に凶悪犯や粗暴犯などで再犯率が高く、大きな問題と思われます。
そこでまず
Q3
 東京都内の刑法犯少年の再犯者率の状況について伺います。
○今、都内でも上昇しているとの答弁がありましたけれども、全国で見る限り、平成9年を境に上昇し続けています。このことは罪を犯した少年の更生について新たな取り組みが求められているということを意味するのではないかと思っています。
 特に先ほど14歳未満の触法少年が大幅に増えているという答弁がありましたが、再犯を繰り返すたびに、徐々に凶悪化していく危険性もあり、今、少年の更生を真剣に考えなければ、将来重大な事件が大幅に増えるということになりはしないかと心配しています。
 犯罪者の更生については一義的には法務省の事業として行われており、最前線では保護司が直接保護観察などを通じて少年の更生にあたっています。
ちなみに私も保護司として何人かの少年を担当したことがありまので、少年の再犯率が上がっていることには、心が痛みます。
 こで伺いたいのですが、少年の更生を担当する保護司について、

Q4
 都内の保護司の人数、および保護観察中の者の人数を把握しているのかを伺います。
○保護司の状況について、今、説明がありましたが、一人の保護司が複数の保護観察者の者に対応している状態があります。
 保護司の仕事の中心は、対象者との面接ですが、平成16年の犯罪白書によると、面接の曜日は土日や休日が中心という保護司が4分の1を超え、また、過半数の保護司は、午後6時から9時という夕方から夜間にかけての面接が多いと答えています。
 このように、週末や夜間に多く対象者と面接をする保護司の負担は、決して小さなものではないと思います。
 もちろん保護司の多くは、保護司活動を通じて人の輪が広がり、自分自身も成長していると感じていますし、社会や対象者の役に立っている、といった充実感を持ちながら活動にあたっていて、負担を主張することが主眼ではありません。
 ただ、充足感を持ちながら活動する一方で、保護観察処遇の困難さを感じている保護司も約4割に上るとも言われています。
 先ほども、再犯者率が上昇傾向にあるということは、罪を犯した少年の更生について新たな取り組みが求められているのではないかということを申し上げましたが、非行少年の再犯防止活動の最前線にいる保護司の約4割が保護観察処遇の困難さを感じていることの意味は、改めて捉えなおされる必要があるのではないかと思います。
○非行を犯した少年の立ち直りを進める上で、保護司がそれに果たす役割は非常に大きいと思いますが、

Q5
 東京都としても、非行を犯した少年の立ち直りのために関係機関が保護司との連携を強化すべきではないか?所見を伺います。
○ご答弁ありがとうございました。
 現在、国において「更生保護のあり方を考える有識者会議」が立ち上げられ、議論されていますが、その中でも、更生保護を国民的基盤に支えられた制度にするため、国民に開かれた、分かりやすい制度とする必要があり、そのためにも地方公共団体や関係機関との協力体制の構築が必要とされています。
 犯罪者の更生というとても難しい活動を、民間のボランティアが行うわが国の保護司制度は世界的にもまれで、貴重で有用な制度だと思いますが、これまでは自治体などの各種機関との連携が薄いところがあったのではないかと思いますので、前向きな取り組みをお願いしておきます。
○保護司の活動は犯罪者の更生保護が中心ですが、研修などを通じて、少年院教官への調査や、保護者への調査などにより、非行少年の質的分析も行っています。その経験や知識を生かして非行防止などについて話しあえる場があれば有意義なことであると思っています。
○例えば私の地元の学校では、保護司が学校運営連絡協議会のメンバーとして参加をしています。
 私の所属する協議会では警察署もその一員であり、主任児童委員さんもいます。
こういった場ではかなり有意義な話し合いが行われています。これは、少年の 非行に対する学校側の理解があってのことですが、こういった例を含め、
Q6
 保護司の知識や経験を学校現場に生かすべきと考えますがいかがでしょうか?教育長の見解を伺います。
○保護司は国家公務員であり、更生保護は国の事業であることは確かではありますが、非行少年の立ち直りを図り、きちんとした大人に育てることは、東京にとっても必要なことであるし、国・自治体を問わず社会としての責務であると思います。
○しかしながら、残念なことに保護司のかかわる活動に対する都の支援としては、「社会を明るくする運動」への参加がみられるに過ぎません。
 保護司に対しては、被害者支援の観点からの活動もその業務に加えられるなど、役割がさらに大きくなっています。都としても、保護司会などが行う事業について、国の仕事だからと距離を置くのではなく、都民の暮らしに密接に関わるものであるとの視点から、必要な支援の充実を図られるよう要望しておきます。