代表質問 増子 博樹 平成23(2011)年9月28日

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。

 八月末から九月にかけて四国・中国地方を縦断した台風十二号による豪雨は、紀伊半島などで死者・行方不明者が百人を超えるなど、平成に入って最悪ともいえる被害をもたらしました。さらに、列島を縦断した先の台風十五号も多くの被害をもたらしました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに被災された皆さま、ご家族の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

 さて我が国は、グローバル化した経済、多極化した国際政治の中で難しい舵取りが求められていますが、このほど国会は、その舵取りを若き野田政権に委ねました。この道は決して平坦なものではなく、これまでに失った信頼を取り戻し、新たに信頼を獲得しつつ進まなければならない後のない道であります。私たちは、この野田政権を支えるとともに、福田政権において導入された法人事業税暫定措置の即時撤廃、防災対策の強化や外環道の建設促進など東京の重要課題については、積極的に働きかけていくことを表明させていただきます。

 また、知事は先の所信表明で「建設的で質の高い議論」とも述べられていましたが、その一方で、民主党を「何でも反対」、「是々非々ではなく非々非々だ」と誹謗中傷しておられるようでは、とても「建設的で質の高い議論」などできないのではないでしょうか。「建設的で質の高い議論」を求められるのであれば、まず知事自身が範を示すべきであると申し上げておきます。

まず、東京の防災対策について伺います。
現在、国の地震調査研究推進本部は、先の超巨大地震を分析する中で、海溝型大規模地震に関わる長期評価の見直しを順次実施しています。防災科学技術研究所の藤原氏によると、江戸元禄期に起きた関東地震は、M八・一の大きさで、東京湾内に二メートル、大島に十メートルの津波を起こしたと述べています。そして、こうした過去の経験を今後に生かすことが重要とも語っています。産業技術総合研究所においても房総半島南東沖の海溝型地震が繰り返し発生してきた可能性があるとした研究結果を発表しています。
 都は、防災対策においてM八級の元禄型関東地震の再来、相模トラフ沿いの地震も想定していくべきと考えます。そして国の長期評価の見直しに先駆けて暫定想定を行い、都民に対し防災への確固とした姿勢を示していくべきと考えますが、所見を伺います。●1

大震災によって千葉県の京葉臨海中部地区の液化石油ガス(LPG)タンクが倒壊、引火し、十日間にわたり燃え続け、また、東京湾に液体アスファルトが流出するなどして、周辺住民約千三百名が避難する事態となりました。
 東京湾沿岸には、石油コンビナート等特別防災区域が広がり、多くが建設後約三十年を経過しており、早急な屋外貯蔵タンク等の耐震性向上と長周期地震動対策が求められています。また、新技術基準として地盤は液状化しない堅固なものでなければならないとされており、護岸の耐震化、海上流出対策を含め防災対策も急がれます。
 首都直下地震の際に、東京湾は、緊急物資の輸送や人員の搬送等を行う重要な海路となります。被災に伴い石油など大量の危険物が東京湾に流出した場合、それらの活動を大きく阻害する要因となります。
 こうした東京湾内の危険物除去や、近県の石油コンビナート火災の消火及び冷却活動への支援など、今後起こると想定される首都直下地震や三連動地震時の都の対応について伺います。また、広域防災の視点から、都は石油コンビナート等の防災対策を国や関係県市、事業者などとともに強化して取り組むべきと考えますが、所見を伺います。●2

次に帰宅困難者対策について伺います。
震災時、東京都心部では多くの帰宅困難者が発生し、首都直下地震の被害想定においても東京では四百四十八万人が帰宅できなくなるとされています。都は帰宅困難者を一時待機施設に受け入れる考えで、官民施設を幅広く確保していく方針です。
 震災後の被災した建築物については応急危険度判定を行い必要な措置を講じる必要があります。民間では震災時の建物倒壊の危険性を測る建物被災度判定システムを導入する事業者が出始めています。これは、超高層ビル内に設置した地震計のデータから構造物が致命的なダメージを受けたかどうかを判定するもので、大手デベロッパーも導入しています。実際、東日本大震災後に世界貿易センタービルではこれらに基づき被害がないことを確認し、浜松町駅に滞留していた帰宅困難者を七百人受け入れました。 都は、帰宅困難者の一時待機施設の安全性に配慮しながら、都内各所に多くの施設を確保していくべきと考えますが、所見を伺います。●3

 東日本大震災発災から二日後、関西広域連合は現地連絡所を岩手県、宮城県に設置し、また、十六日には福島県に設置して、被災地支援に取り組み始めました。二十三日には太平洋沿岸市町の大被害を確認して、気仙沼市などにも支援本部を設置し、市町レベルでも連携して支援に当たりました。
 全国の都道府県間では、災害時の広域応援に関する協定を締結していますが、今回、十分に機能したとは言えませんでした。そのため、広域大災害への備えとして都は知事会や各ブロック知事会、広域連合などと首都圏を越えた広域応援体制を検証、再構築していくべきと考えますが、所見を伺います。●4

今回の東日本大震災で今までの想定を超える津波被害などが発生し、防災対策の再検討が国や各自治体で進められています。この東京においても複合災害の最悪想定の一つとして懸念するのは、これから政府が検討を始める三連動地震などのような大規模地震が発生し、満潮時に台風による高潮が重なって従来の規模を超える高潮が東京に達し、東京東部のゼロメートル地帯で溢水・冠水することです。
東京の江東内部河川を始めとしたゼロメートル地帯を中心とする低地帯では、満潮面以下の地域に約百五十万の人々が生活しています。従来のように、まちに水が入らないように取り組んでいくことは当然ですが、想定外の事態により、万万が一、海水などが浸入してしまった際に、被害を最小限に抑え込んでいく「減災」のために、都は早急に、想定と対策を検討し始めるべきです。所見を伺います。●5

 東日本大震災後初めての防災の日となった九月一日には、多くの自治体などで防災訓練が行われました。地域においては、関係機関が連携して、訓練を行いましたが、多くの都民が参加し、防災意識を向上させる取り組みとするには未だ十分ではありません。
 災害に強い持続可能な都市東京をつくるためには、より多くの都民一人一人が防災意識を高め、平時の訓練に参加すること、地域コミュニティの維持・強化によるネットワークづくりを進めること、そして行政と共に地域の防災体制の確立に取り組むことが重要です。 地域の自主防災活動を活性化する事業として愛知県や横浜市などでは、防災科学技術研究所と協力し、パソコンによるe防災マップづくりを推進しています。地域オリジナルの防災地図を作成し、地域の防災力や問題解決能力の向上に資するオープンソースのWebシステムは、被災自治体の災害対応業務支援や災害ボランティアセンターの活動支援などにも使用されています。こうした災害リスク情報システムの積極活用を区市町村に促すことも必要だと考えます。これらも踏まえ都は、都民の防災意識を向上させ、その意識を風化させないよう、地域防災力の向上に一層取り組むべきだと考えますが、所見を伺います。●6

 現在、福島県から県外への避難者は五万六千二百八十一人で、東京都には六千八百二十三人が避難しています。原発事故の収束の見通しが立たない中、長期化する避難生活に、特に母と幼い子どもだけの母子避難者の生活には不安感が募っています。都においては、引き続き避難者の皆さんへのきめ細かな支援を求めるものです。
 今回の大震災では、都内の災害時要援護者も帰宅困難者となり大きく体調を崩す事例や、計画停電の影響を受けた事例など様々な問題があったことから、医療や障害者、PTA団体からは、高齢者や在宅療養者への医療の確保や各団体と連携した防災訓練の実施、学校による通学途上も含めた対策の構築といった災害時における支援の要望が多く出されました。
 区市町村に災害時要援護者対策を働きかける都において、大震災で災害時要援護者が受けた様々な事例から、支援策が実際機能するのかといった把握、検証が必要と考えますが、所見を伺います。●7

 現在、福島県においては、順次県民の被ばく検査を行っております。また、全国各地の原発立地自治体には原発事故対応のための医療が確保されていますが、原発事故、放射能災害が現実のものとなった今、原発立地道府県のみならず、東京都としても災害対策として、ホールボディーカウンター購入、技師・医師の確保による放射能医療体制の確保について、積極的に検討すべきと考えますが、所見を伺います。●8

 石巻市の日赤病院では、今回の震災時、災害時用の簡易なオーダリングシステムを、急遽構築し、迅速、円滑な処方に努めました。また、気仙沼市立病院では「NCO(Network Centric Operation)」といわれる方法で、広域医療搬送の情報管理を行い、地理的に離れた組織間で横断的にネットワークを経由した情報共有、受け入れや遠隔地への搬送調整が行われたとのことです。
 遠隔バックアップなどでデータ損失を防ぐ、災害にも耐え得るネットワーク整備など、今回の震災時に機能した事例を参考としてさまざまな課題に対処していかなければなりません。
 災害時において医療機関の情報を、他の医療機関、消防、行政が共有するシステムについても積極的に検討すべきと考えますが、所見を伺います。●9

次に、放射能対策について伺います。
大震災によって誘発された福島第一原発事故により飛散した放射性物質は、遠く離れた東京にまで到達しました。この放射性物質の問題は、、事例が少なくその影響がよくわかっていないため、正確な情報を提供するとともに、都民の被曝量、都内の放射性物質を可能な限り低減する対策を講じ、都民の不安払拭につなげていかなければなりません。
 都内施設における放射性物質対策については、都内の下水処理施設で採取された下水汚泥、またその焼却灰から高濃度の放射性物質が検出され続けており、都は、現在、この高濃度の焼却灰を中央防波堤処分場に埋めています。都の調査によれば、埋め立て以来高い線量を記録し続けており、処分場の安全管理の徹底が求められています。そのようななか、東京都は、震災がれきを三年間で五十万トン受け入れると表明しました。震災復興に向けて、できることはやるという姿勢は大事です。しかし、それはあくまでも都民の健康が守られるということが前提でなければなりません。現地の状況としては岩手県、宮城県のなかでも、放射性物質によって高濃度に汚染されている地域、そうでない地域があると聞いています。この震災瓦礫の取り扱いを決めるにあたっては慎重な検討と、都民に対する丁寧な説明が必要だと考えますが、所見を伺います。●1

 放射性物質の環境中への降下、その影響による農林水産物の放射能汚染は、食品中の放射性物質に対する不安を都民に抱かせました。また、ここ数年、新型インフルエンザ、中国産冷凍ギョーザへのメタミドホス混入など、感染症や食品衛生にかかわる検査機器、それに携わる専門職の重要性を知らしめる事態を経験しました。
 東京都には、この放射能汚染の検査に関して、実績があります。今から二十四年前、チェルノブイリ原発事故の際には、ヨーロッパの食材を中心に放射能濃度の検査を実施しました。以来、この検査を続け、都民の食の安全を守ってきました。このような努力の積み重ねで、東京都は都民の安全を守ってきたのです。
 PCR検査だけ、冷凍食品だけ、その時々に、単品で騒ぐのではなく、平常時から総じて専門職の確保・育成等について留意することは、健康と安全を下支えする営みなのだということを、改めて確認し実行すべきです。
 食品の安全に対する信頼が揺らぐなかで、安全な食品がしっかりと流通・消費されるようにするためにも、食品検査体制の強化が必要と考えますが、所見を伺います。●2

 食の安全のなかでも、子どもについては特に気を使う必要があります。先般、放射性物質に汚染された稲ワラを給与したために暫定規制値を超える牛肉が学校給食に使用されていたことが判明しました。こうした事態を受けて私たちは、八月三十日に石原慎太郎都知事に対し、「子どもの内部被曝ゼロを目指すための緊急要望」を行いました。
 その内容は、学校・幼稚園・保育所等の給食において、食材の放射能検査の実施や放射能濃度が低い食材の利用、食材産地の公開、各区市町村との連携と情報提供、費用補助の支援、栄養士等への必要な研修の実施などであります。
 また、都が価格及び納入業者を決定している「牛乳」に関しては、品質確保のため、納入メーカーや学校給食会に対し、検査の実施など、適切な対応を求めること、そして、食品の放射能汚染については、リスクコミュニケーションの場を設けることや、都民に対し、分かりやすく正確な情報を提供することなどを求めました。
 児童生徒の保護者からは、本当に給食が安全なのかといった不安の声も多く聞き、また、各区市町村においては、独自に給食食材の放射能検査を行っている地域もあります。
 そこで、福島第一原発事故後、学校給食の安全確保と保護者の不安解消のための取組に関し、都教育委員会はこれまでどのような対応を行い、今後どう対応していくのかを伺います。●3

次に、八ツ場ダムに関して伺います。
九月十三日に開かれた八ツ場ダム建設事業「関係地方公共団体からなる検討の場」で関東地方整備局から、検証結果の案が示されました。その内容は、治水利水の両面で、八ツ場ダム案が代替案に比べてコストが圧倒的に安く、最有力案であるというものでした。
 しかし、検証の中身を見ると、「予断を持たずに」客観的、科学的に八ツ場ダムの是非を検証するはずであったものが、事業継続の結論が先にありきの検証になっているように感じられます。
 まず利水について検証しなければならないことは、各利水予定者が八ツ場ダムに求めている水量か本当に必要なのか、その根拠となっている水需要の予測が、実績や実態を踏まえたものになっているかどうかです。ところが、今回の検証では、各利水予定者が八ツ場ダムに求める水量がそのまま積み上げられ、その要求水量を前提に、その水量を確保するため、それも非現実的とも思える四つの利水代替案との比較で八ツ場ダムが最適だという判断がされています。
 その一つは静岡県の富士川河口部から導水することを中心とする代替案です。
 富士川から東京まで導水するという壮大なこの代替案の場合、費用は一兆三千億円にもなっています。このような案と比較すること自体に対する疑問の声があります。関東地方整備局が、水需要予測の妥当性について全く検証していないとする指摘もあり、その要求水量を満たす代替案なるものとの比較のみを行ったことについて、都の見解を伺います。●1

 東京都全体の水道の一日最大配水量は平成四年度の六百十七万立方メートルからほぼ減少の一途を辿り、二十二年度には四百九十万立方メートルと、この十八年間で二割も減っています。
 これは節水型機器の普及などにより、一人当たりの使用水量が減少してきたからであり、今後も続くであろう人口減少などや節水型機器の普及などを踏まえれば、今後の水需要が増加傾向に転ずることは、考えがたいのではないでしょうか。
 東京都水道局は、平成二十五年度に必要となる一日最大配水量は六百万立方メートルと予測しています。ところがこの予測は今から八年も前の平成十五年に、それも昭和六十一年度から平成十二年度までの十五年間の実績値を用いて行ったものであり、今、直近の水使用実績データに基づいて予測のやり直しを行えば、予測値が大きく低下することも予想され、その場合には、八ツ場ダムに新規水源を求める必要はなくなることも考えられます。
 したがって、都は、直ちに最新の水需要予測の結果を採用すべきであると考えますが、都の見解を伺います。●2

 さらに、八ツ場ダムが大渇水の時に必要だという意見がありますが、八ツ場ダムは、渇水が起こることがある夏期は利水容量が二千五百万立方メートルしかなく、完成しても利根川水系ダム全体の夏期利水容量は五%程度しか増えません。渇水時の状況は八ツ場ダムがあっても、それほど変わらないのです。
 また、今回の八ツ場ダムの検証において、治水面でも八ツ場ダム案が代替案より費用が格段に安く、最適案だとされていますが、これは、八ツ場ダムの治水効果を従来の数字より大幅に大きくしたことによるものとの意見も聞きます。
 最後に、電力供給に関して、八ツ場ダムに群馬県営の発電所が併設されるため、電力事情を改善するためにも八ツ場ダムが必要だとの意見がありますが、これは、重要な前提を見落とした間違った認識ではないかという疑念の声もあります。ダム建設予定の吾妻川には流れ込み式の水力発電所が古くから数多くあってかなりの発電が行われています。八ツ場ダムが完成すると、ダムに水を貯めるために、現在、水力発電所に送られている水の大半を吾妻川に戻さなけれはならず、その発電量が大幅に減少するとも言われています。八ツ場ダム併設の発電所によって生み出される発電量は、失われる発電量の約五分の一に過ぎないという試算結果も発表されています。
 そこで、八ツ場ダムの建設により、吾妻川流域の発電量が大幅に減少するということについて、都の見解を伺います。●3

次に、築地市場の移転問題について伺います。

 

私たちは、豊洲の安全性の確認と関係者の合意なくして、この問題の解決はないと何度も述べてきました。このような中、東京都は、この八月三十日に、豊洲の土壌汚染対策工事として、ゼネコン系の三つのJVと合計約五百四十二億円の契約を交わしています。
 しかし、そもそも土壌汚染の実態調査が不十分だとの指摘もあり、また、結果として、環境基準を超える砒素や鉛が残ることについては、安全性を疑問視する声もあります。
 今回の土壌汚染対策工事でも、工事全体の監理は、誰の責任で行われるのかなど懸念がないわけではありません。一方、土壌汚染対策工事を通じて、例えば、工事・工事の途中の状況を議会に報告する、あるいは、その検証作業を市場関係者や学識経験者等で構成する協議会とともに行う、あるいは、汚染の有無を確認する指定調査機関の公正さを確保することなどの取り組みも考えられます。
 今回の土壌汚染対策工事を進めるにあたって、都民や市場関係者が、安全・安心だと実感できるようになるのか、所見を伺います。●1

 関係者との合意では、地元・中央区との課題も残されています。
 石原知事が、かつて「豊洲も築地も、ともにブランドとして並び立つような妙案を」と述べていましたが、まさに知恵を絞り、東京都、地元自治体、業界団体の意見の一致を見ることが重要です。
 このようなことから、私は、都議会民主党を代表として、今年3月7日の予算特別委員会の締め括り総括質疑で、築地のまちづくりについて質問しました。東京都が、「場内・場外とが一体となって育んできた食文化の拠点としての活気とにぎわいを引き継ぐという観点から、中央区など関係者と協議を行う」と答弁したのに対して、私は、「一歩前進だが、合意にはまだ時間がかかりそうだ」と指摘しておきました。
 そこで、現時点における中央区との検討状況と合意に向けた課題について、東京都は、どのように認識しているのか、伺います。●2

次に、環境・エネルギー政策について、伺います。
私達は、先の東日本大震災の経験も踏まえつつ、これからの東京は、低炭素型で、かつ高度な防災都市づくりを目指すべきと考えています。
 そのために、地域分散型エネルギーシステムの導入促進、再生可能エネルギーや未利用エネルギーも含めた電気及び熱エネルギーのベストミックス、全体最適利用を推進することが求められます。
 石原知事は先の所信表明で新政権が「あらゆるエネルギーの最適な組み合わせを追及した現実的かつ複合的なエネルギー戦略を構築すべき」と述べられました。
 同様に、都としても、東日本大震災の経験を踏まえた、エネルギー戦略の再構築が求められており、先の第二回定例会で可決された、都議会民主党が提案した条例にも、都に対して、省エネルギーの推進とエネルギーの安定的な供給の確保に関する長期的な総合計画の策定を義務付けています。
 東京都としての独自のエネルギー総合計画の策定が必要と考えますが、知事の所見を伺います。●1

 先月、都庁内部に東京天然ガス発電所プロジェクトチームが設置され、発電効率が高く、他の化石燃料と比べて格段に環境負荷が少ない天然ガスを燃料とする百万キロワット級の発電所の整備に向けた検討が開始され、既に用地の一次スクリーニングまで行われています。
 第二回定例会でも申し上げましたが、天然ガス発電所の新規建設にあたっては、民間事業者に委ねるべきであると、改めて申し上げておきます。
 また、私達は、災害時のリスク分散のため、省エネルギーや低炭素化にも配慮しながら、六本木ヒルズの自家発電設備クラスの、地域分散型の発電機導入を積極的に推進すべきと考えますが、今後の課題も含め、所見を伺います。●2

 また、このような地域分散型の発電機導入のための手法の一つとして、既存の地域冷暖房施設に発電機能を導入することが考えられます。熱供給にあわせて電気も供給することで、災害時は業務継続、平常時は省エネルギーや低炭素化、電力負荷の平準化等に貢献することが可能となります。
 現在、都内に地域冷暖房施設は七十七箇所ありますが、発電と冷暖房機能を備えた施設は十二か所しかありません。
 都内の地域冷暖房施設への発電機能の導入に対する後押しが必要と考えますが、所見を伺います。●3

次に、東京の国際競争力の向上について伺います。
東京都では、平成十八年に策定した「十年後の東京」計画を改定するとしており、その改定方針の第一に、「都市の活力を取り戻し、アジアのヘッドクォーターとしての地位を確立すること」を掲げており、私たちも、こうした施策について、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 すでに東京都は、昨年九月の政府の提案募集に応じて、「アジア域内ヘッドクオーター特区の創設」をはじめ、国際コンテナ戦略港湾などの特区を提案していますが、総合特区の創設は、東京の国際競争力の向上を図る上でも、その起爆剤となる重要な課題です。
 現在、総合特区の指定は、九月三十日に申請が締め切られ、その後の検討会を踏まえ、十二月にも、指定が行われる見込みですが、国の方針では、国際戦略特区は「指定数は五か所程度」とされ、かつ「初年度においては絞り込んで指定を行う」とされていることから、厳しい競争も予想されます。
 東京がアジアのヘッドクオーターになるべく、国際戦略特区の指定に向けた取り組みも含めた、東京都の今後の取り組みについて伺います。●1
次に、MICE(マイス)の推進についてです。
 六月六日、IMF=国際通貨基金が、来年十月のIMFと世界銀行の総会を東京で開くと発表しました。これは、当時の野田佳彦財務大臣が、関係各国に申し入れて実現したもので、加盟百八十七か国の財務大臣をはじめ、関係者二万人近くが訪れるとも言われています。
 私は、IMF・世界銀行総会などを契機に、積極的にMICEを推進すべきだと考えますが、そのためには、東京のコンベンション機能の強化という視点も欠かせません。
 すでに報じられているように、大田区が羽田空港移転跡地において計画している床面積四万六千平米の国際展示場が実現しても、東京での国際展示場の床面積は、ビッグサイトの八万平米と合わせても十二万平米程度です。一方、国際的には、例えば、ドイツ・ハノーバーの四十六万六千平米を筆頭に、中国では広州の三十四万平米など、東京の展示場規模は、十分とは言えません。MICEそのものが、一般的な旅行者と違って、経済的な波及効果も大きく、単に施設の稼働率だけをもって評価できないとの指摘もあります。
 私は、MICE推進のためには、ビッグサイトなどの機能拡張を視野に入れた、東京のコンベンション機能の充実などに積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。●2
次に、雇用対策について伺います。
 東日本大震災と急激な円高などによる影響で、雇用情勢は、依然として厳しく、八月三十日に総務省が発表した岩手、宮城、福島の三県を除く全国の完全失業率は、七月で四・七%と二か月連続で悪化しています。
 国の第三次補正予算では、全国都道府県に置かれている雇用対策基金が二千億円積み増されると言われていますが、国の補正予算案が成立するのを待っていては、年末あるいは年度末の厳しい雇用状況に、的確かつ迅速に対策を打ち出せない事態も想定されます。
 今年の予算議会でも、私たちは、すでに平成二十四年度まで延長された緊急雇用創出事業の基金を使って、成長分野において、切れ目のない、かつ、厚みのある雇用創出事業を実施することを求めてきましたが、例えば、国の補正予算を見据えるならば、平成二十四年度までの分として積み置かれている基金を前倒して執行するような意気込みを持って、事業にあたる必要があります。
 そこで、これから区市町村とも十分に連携しつつ、年末・年度末に向けて緊急雇用創出事業を適確かつ迅速に実施していくべきだと考えますが、所見を伺います。●

 次に、ワークライフバランスに配慮した労働環境の整備についてです。
 東京都は、平成十九年より、中小企業両立支援推進助成金事業を実施しており、平成二十三年度までに二千社を目標に、仕事と家庭生活との両立支援に取り組む中小企業に対して支援を行っているところです。
 今年四月一日以降、次世代育成支援対策推進法の改正を受けて、次世代育成支援に向けた行動計画の策定が従業員百一人以上の企業にまで義務づけられました。さらには、東日本大震災後、多くの企業で、省エネや節電などへの対応に伴い、業務のあり方が見直しされているこの機会を活かし、平成二十四年度の事業終了が見込まれる両立支援推進助成金事業を再構築するなどして、より一層のワークライフバランスの推進を図っていく必要があるのではないでしょうか。
 東京都は、今後とも、中小企業における仕事と家庭生活の両立支援について積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。●2

 次に、公契約条例について伺います。
 現在、厳しい経済状況が続く国内において、公共調達の投資額は減少の傾向にあり、契約受注競争は激しさを増しています。そして、この低価格競争の影響が、公共調達に従事する労働者の賃金低下、官製ワーキングプアに結びつかないよう、賃金水準の確保に向けた動きが進んでいます。
 昨年十二月、川崎市は、契約条例改正案を市議会で全会一致により成立させました。阿部市長は、改正の目的は市が発注する事業の品質の確保と労働者の就労環境の維持を目指したものだと述べており、自治体発注の公共事業が低価格で落札される結果が、労働者の賃金低下につながるとしたら本末転倒であり、受注業者が採算割れで倒産することがあってはならないとも語っています。
 平成十七年、都議会においては、公共工事における建設労働者の労働条件確保等に関する意見書を国に提出しており、その実現に向け取り組まねばなりません。
 これまで都も、入札契約制度改革に取り組んできましたが、公共工事などの質を確保し、公共サービスに従事する労働者の適切な労働条件を確保するために、改めて公契約条例の策定を検討していくべきと考えますが、所見を伺います。●3

次に、医療政策について伺います。
 国民の死因の三割を占める病気が、がんです。都民が自分や家族のがんと向き合ったときには、適切な選択に基づき医療が受けられ、がんを克服するために、あるいはより良い最期を迎えられるようにするためには、何が必要か、都民、都議会、都庁、医療者とともに考え、すべての人が納得できるがん医療、サポート体制づくりを目指していかなければなりません。
 私たちが繰り返し求めてきた、がんの部位別医療連携手帳、いわゆる東京都がん手帳の策定・発行は、東京の地の利を活かし、がん医療を牽引するような医師が参加して作成し、試行されました。
 一方で都は認定・拠点病院の指定拡大を図ってきており、現在三十四病院が指定されています。これら拠点病院等と地域医療機関の双方が治療経過等きめ細かい情報を共有し、シームレスながん医療を提供するためには、この手帳が大きな役割を果たします。
 東京都がん手帳は、医療機関同士、医師同士の緊密な連携に加え、患者自身が治療を理解したり、自分らしいがんとの向き合い方を考えることにも役立つものであり、すべての地域でこの手帳が活用され、より多くの地域医療機関における参画を確保していくよう取り組む必要があると考えますが、所見を伺います。●1

 がんになったら、痛み苦しみは避けられない、緩和ケアは積極的治療を断念した後のもの、などがんや緩和ケアに都民が抱くイメージは、非常にネガティブです。しかし、多くのがんでは、疼痛や副作用の管理もかなり可能となっております。また、治療初期から痛みを適切にコントロールすることが、療養上重要であるということも知られておらず、痛み軽減対策が十分でなくとも、ひたすらがまんする方もまだまだいらっしゃると聞きます。
 がん医療の均てん化の中では、患者のQOLに加えて、がんそのものの予後にも影響のある痛み・苦痛のコントロールが重要であり、緩和ケアの実施にあたっては、医師、看護師をはじめとした医療スタッフが一体となって患者を支える体制が必要であります。がん医療に携わるどの病院、どの医師にかかっても緩和ケアが受けられるよう、緩和ケアへの取り組みを強化することが必要と考えますが、所見を伺います。●2

 東京都のがん検診受診率は、職域を含めると高いものの、区市町村における受診率は低迷しています。
 がん検診受診率は、区市町村ごとに八割~一割まで非常にばらつきがあります。より多くの方が検診を受けやすいような、平日夜間や土日休日の実施、保育付き検診などより一層の受診率向上支援策が必要と考えますが、所見を伺います。●3

 また、がん医療の発展には欠かせない基礎データである地域がん登録についても、日本は先進国の中で非常に後れをとっています。他府県ではすでに地域がん登録が実施されておりますが、都においても、がん基本法制定から五年を経て、ようやく地域がん登録が実現しようとしています。
 地域がん登録については、情報を蓄積し、長期、十年スパンで研究・政策に活かしていくという側面もありますが、短期的には都内のがん実態を把握し、二次医療圏ごとの特性や課題に応じたがん医療向上方策を立てることも活用法であります。
 しかし、情報として活用するには、より多くの患者情報を登録することが必要です。患者の生死にかかわる情報は、最もナイーヴな個人情報のひとつであるため、がん登録の意義・目的を明確に広報するなど、都民や関係者の信頼性を担保し、実施・発展させていくことが重要と考えますが、都としての取り組みを伺います。●4

 五大がん以外のさまざまながんについても、もっと早く発見できていればというケースが多くあり、機会を捉えて普及啓発に取り組む事が必要です。
 例えば、口の中にできる口腔がんは、年間約三千人が死亡しているとされますが、あまり耳にすることはありません。口内炎だと思って放置したり、歯科医師にかかった場合でも、自己判断で通院を中止したために、診断・治療が遅れることもあり、定期的に検診を受けたり、きちんと直りきるまで診てもらうこと、歯科医師の研修も重要です。当然発見が早ければ生存率も良く、特に社会生活上重要な発話や飲食機能、顔への外見的ダメージも低く抑えられます。
 口腔がんの社会的認知と早期発見に向けた取り組みについて、所見を伺います。●5

 現在の東京都がん対策推進計画は、平成二十年に策定された都のがん対策を総合的に推進するためのものであり、検診受診率の五十%以上、七十五歳未満のがん死亡率二十%減少など、具体的な数値目標を盛り込んだ意欲的なものとなっております。この計画も折り返しに来ていますが、現在までの進捗状況について、またその進捗状況に照らして計画・施策の見直し、強化拡充が必要ではないのか伺います。●6

次に、虐待対策について伺います。
 先日、杉並区内で里親が虐待により死亡させた疑いで逮捕されるという、大変ショッキングな事件が発覚しました。この事件の全容は不明ですが、幼い命が失われることを防げなかったのは事実であり、里親の孤立化防止、支援体制作りを進めることが必要です。
 近年、社会的養護を必要とする子ども達の中には、虐待を受けた経験があったり発達障害のある子どもの割合が増加しております。東京都養育家庭制度による、養子縁組を前提としない里親に委託される子ども達においても、さまざまな専門的知識が必要となることから、里親認定研修の日数を増やす、委託後も研修や家庭訪問、面談などを充実・強化することが必要と考えますが、所見を伺います。●1

 子育ては二十四時間、土日も祭日もありません。児童相談所においては、非常時の連絡体制が敷かれているとはいえ、夜間や休日に困ったときでも、よほどの緊急事態でなければ、日頃多忙にしている職員を呼び出すことはためらわれると聞きます。
 国では将来的に社会的養護を、里親、グループホーム、施設の三分の一ずつにしていくべきとの提言がまとめられております。一方都においては里親委託が約一割という現状の中、家庭的養護について重点的に取り組む事とされています。社会的養護の必要な子ども達を家庭的な環境で養育・ケアしていくためにも、里親の新規開拓や相談支援を充実させ、支える基盤をしっかりとしたものにしなければなりません。
 都は都内三ヶ所において、里親支援機関事業による里親のサポートや新規開拓などを試行しておりますが、こうした取り組みを含め、里親がきめ細やかな支援を受けられるようなサポート体制を全都に構築するよう、あらゆる資源を活用した取り組みを実施すべきと考えますが、所見を伺います。●2

 

次に、犯罪被害者支援について伺います。
 犯罪被害者等基本法が制定されて以来、国および自治体において支援施策が展開され、少しずつ犯罪被害者にも光が当てられるようになりました。
 しかし、未だに被害者の人権に関わるような報道が行われたり、心無いことばで二次被害を受ける被害者も少なくありません。
 都が犯罪被害者等支援計画を改訂し実行に移していることは、評価しておりますが、施策の取り組みについて、実施スケジュール、すなわちロードマップが示されておらず、数値目標なども示されていないことから、スローガンのみにとどまっていることは残念です。都内での被害者支援施策の周知が十分に進まない状況で、都民に対して都の犯罪被害者支援の姿勢を示すためにも、改めて条例制定を求めるものです。
 条例制定については、平成十五年第四回定例会で、知事は「犯罪被害者支援は、経済的給付を初め、本来は国が対応すべき問題ですが、都としても、ご提案の条例も含めて、国や区市、民間団体などとも相談、協力しまして、そういうものを考慮し、考え、支援活動を推進していきたいと思っております。」と答弁されています。それから八年、山形県や神奈川県など他県では被害者支援に特化した条例制定が進んでいます。
 現在、民主党では条例提案を視野に準備を進めておりますが、是非知事の手によって先進的な条例を制定し、この東京から被害者支援の充実を格調高く推し進めていただきたいと考えます。所見を伺います。●1

 都における性犯罪の認知件数は、平成二十二年に強姦が百六十件、強制わいせつが八百九十一件となっています。内閣府の調査によると、この種の経験をした女性のうち、警察に連絡・相談した被害者は四・一%となっており、認知件数は氷山の一角に過ぎないことが推測されます。
性暴力への誤解・偏見から二次被害を受けることも少なくありません。そして被害者は、自力で支援を探してたどり着かねばならないなど、十分な支援を受けている人はほとんどいないと思われます。
 また、平成二十二年における全国の強姦認知件数のうち二十歳未満の被害者の割合は、四十二・四%であり、被害者への適切なケアは非常に重要な課題であります。
 国連の女性に対する暴力を規制する法律制定のためのハンドブックでは、女性二十万人に一カ所の割合で、レイプ・クライシス・センターの設立を求めています。国の第二次犯罪被害者等基本計画においても「性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置促進」がうたわれており、大阪の民間運営による性暴力救援センターや、警察庁のモデル事業である愛知県内のハートフルステーション・あいちの取り組みも進められています。
 そこで、都においても、性犯罪被害者ワンストップ支援センターを都内に設置し、性犯罪被害者に総合的支援を行う必要があると考えますが、所見を伺います。●2

次に、教育施策について伺います。
 先月の新聞記事で、都教職員が心の病で休職した割合が、全国平均よりも高いことが取り上げられていました。学級崩壊、集団のルールに従わない、友達がいない、学級の中で居場所がない等の多様な課題があり、学校現場への要求が増え、教職員はストレスで疲弊しています。
 そうした状況で、スクールカウンセラーに求められる役割と期待は非常に大きく、例えば、前定例会の本会議において、大原教育長は都内のエンカレッジスクールやチャレンジスクールにおける中途退学者の原因を、学習に対する興味・関心の欠如や、規則正しい生活習慣が身についていないことなどと指摘されましたが、まさにそのような学習や生活面も含めた予防対応のできるスクールカウンセラーが、学校現場で求められているのです。
 また、カウンセリングは週に一回程度の予約制で、相談したいときに対応してもらえないことから、勤務日数や人員を増やして欲しいという要望も聞きます。ただ人員や勤務日数を増加させるのではなく、あわせてカウンセリング方法などの改善を図るべきと考えます。
 そこで、スクールカウンセラーによる教育現場の相談体制が、一部の子ども達を対象とした事後対策型の心理臨床的な問題のみに対応するのではなく、アメリカにおけるスクールカウンセラーのような学業的発達、キャリア的発達、個人的・社会的発達の三つの領域において、子ども達全員を対象とする総合的開発的なカウンセリングを取り入れ、学習や生徒指導の問題が起きる前に予防し、より全体的な教育の効果を高めるようなスクールカウンセリングを行っていくべきと考えますが、所見を伺います。●1

 都留文科大学で全国一万四千人の現職教師を対象に実施した調査によれば、小・中・高校と教師がカウンセラーに期待する活動内容が学校種別で異なる結果が出ており、また、各学校によっても違いがあると結論づけられています。
 現在、都教育委員会は都内の公立学校に派遣する約七〇〇名のスクールカウンセラーの採用を行なっています。
 そこで、採用時、学校側がどのようなスクールカウンセラーを採りたいか、各学校の具体的な要望を取り入れた形で採用を行なうべきと考えますが、所見を伺います。●2

 さて、数多くの調査や来客対応、電話対応などに追われている小・中学校の副校長の多くは、依然として多忙感を抱いており、また、それを普段から見ている若手教員はその役職に魅力を感じず、成り手が減っている状況が続いています。
 東京都は、全国に比べて精神疾患で休職する教職員の割合が高いなか、抜本的な校務改善による円滑な組織運営を実現させ、教職員一人一人が能力を最大限に発揮できる環境、児童・生徒がより良い教育を受けられる環境を整備することが早期に求められます。
 現在、校務改善の取組はモデル校において実施されていますが、来年度本格実施となった際に、真に実効性のあるものとするためにも、今後行なわれる検証が大変重要です。
 そこで、校務改善の取組状況と今後の対応について、伺います。●3

 副校長の多忙に関連して、副校長の役割として、産休・育休・病欠等で一時期休職する教職員の任用業務がありますが、これに多くの時間をとられ多忙の一因になっていると、多くの学校管理職の方々から聞いています。
 現在、都では、その時間講師等の任用業務の効率化に向けた非常勤職員情報提供システムの開発を行なっており、来年度に本格稼動を予定しています。
 そのシステムの内容は、時間講師等を募集する学校側と応募する講師側とのマッチングがサイト上で行なえる双方向型のものと聞いていますが、そのサイトによって、本当に作業の効率化が果たせるのか、所見を伺います。●4

 また、合わせて、サイトの提供だけでなく、僻地において、なかなか人手を見つけるのに厳しい状況にある学校に対しては、都教育委員会が細かなフォローを行なっていくべきではないかと考えますが、所見を伺います。●5

次に、特別支援学校併置校の課題について伺います。
 都内の知的障害児・生徒が年々増えるなかで、異なる障害種別を併置する学校が来年度一校開校し、第三次実施計画で六校が設置される予定となっています。
 併置化における特有の課題として、障害種別が複数になることに対応した教員の専門性向上や、障害の異なる児童・生徒が関わる際のお互いの安全確保などがあります。加えて、来年度開校予定の府中の肢体不自由と知的障害の併置校においては、知的障害教育部門における児童・生徒数の増加による大規模校化が、保護者の間で不安視されています。
 府中地区特別支援学校は、知的障害教育部門における児童・生徒数が、計画時の推定より約一〇〇名増の約四五〇名の大規模校になり、保護者からは、「十分な教室等の確保がなされるのか」「教職員不足にならないか」といった懸念の声を聞きます。
 教職員の配置に関しては、仮に、栄養士の数が生徒・児童数に見合っていないと、食事のケアがうまく施されず、重度障害児・生徒が誤嚥等の事故を起こしやすい環境が生じてしまう可能性も考えられます。このような命に関わることは最優先で対応しなければなりません。
 特別支援学校の併置による大規模化に伴い、教育の質の低下を招くことのないよう、副校長、養護教諭、栄養士等の正規の教職員の増員や配置、不足する施設の増築・改築など、適切な対応が必要と考えますが、所見を伺います。●6
最後に、二〇二〇年東京オリンピック招致について伺います。
 東京都は、去る九月一日、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の立候補申請をIOCに行いました。
 二〇一六年招致においては、一五〇億円もの巨額な招致費用を投じ、計画自体は高い評価を得たものの、国内全体の招致気運が盛り上がることはありませんでした。これは、スポーツ界や都民の声を受けた招致ではなく、トップダウンかつ政治色をまとった招致であったことと無縁ではありません。
 こうした政治色を払拭し、都民一人一人のオリンピック招致につなげていくためには、「今、なぜ二〇二〇年東京オリンピック招致なのか」、この招致の意義を明確にし、都民、国民の皆様にしっかりとお示ししなければなりません。そして、計画策定段階から都民、スポーツ界の参加を求め、大勢の賛同を得つつ進めていくことが、真に人の心を動かし、国内世論を盛り上げ、招致成功に近づける道だと考えます。
 そこでまず、都民・国民に示す二〇二〇年東京オリンピック招致の意義とは何か、知事の所見を伺います。●1

 また、世界に向けて、東京オリンピック招致の意義を示すには、知事が所信表明で述べた「オリンピックを通じて日本が立ち直った姿を世界に披瀝し、支援に対する感謝の気持ちを示す機会」ということも重要なポイントではあります。しかし、これにとどまらず、韓国が平昌冬期オリンピックの招致活動で、雪が降らない熱帯や新興国のアジアの青少年を招待し、ウィンタースポーツを体験できる「ドリームプロジェクト」を実施したように、世界に向けて訴え、そして共感を呼ぶ発信力のある理念を柱とした招致活動が必要です。国際世論を動かし、結果としてIOC委員の投票につながる理念を掲げなければならないとともに、招致の意義や理念を国内外に浸透させていかなければならないと考えますが、所見を伺います。●2

 二〇一六年オリンピック招致においては、プレゼン費用やスポーツタレントの出演料を初めとした招致経費に多額のコストがかかりました。今回は、基本方針の一つとして、大幅な招致経費の圧縮が示されていますが、私たちは、ただ経費圧縮するのではなく、本当に成功するために必要な招致活動に対しては、十分な予算を充て、あまり効果の期待できない活動に対してはできる限り予算を削るという、メリハリのある効率的な予算の使い方をすべきと考えます。
 また、都民・国民の盛り上がりの中での招致という観点からも、招致活動もその経費も民間が主体となり、東京都はこれを支援し、コーディネイトしていくべきと考えます。都が負担する費用も、都民の税金ではなく既に積み立てられたオリンピック基金の果実を当て、その負担割合も公費が民間資金を上回ることのないようにすべきと考えます。
 そこで、招致活動経費及び財源区分について、所見を伺います。●3

 私たちは、二〇一六年招致の際も、メーンスタジアムを晴海とする東京都案に疑義を唱え、国立競技場の活用を訴えてきました。
 国立霞ヶ丘競技場は、オリンピックのメーン会場としては、収容人数を五万四千二百人から八万人に広げなければならないキャパシティ面だけでなく、要人を迎える接客スペースが足りないといったホスピタリティ面での改修も必要です。一方で政府は、二〇一九年ラグビー・ワールドカップに向けた改修を検討しているため、このタイミングでオリンピックのメーンスタジアムとしても利用できるように改修すれば、新たな会場をつくらずに済みます。
 私たちは、これまでにもオリンピック招致を理由とした過大な社会資本整備は行わないことを求めてきました。メーンスタジアムについても極力既存施設を活用すべきと考えますが、所見を伺います。●4

 また、二〇一六年招致活動の際、私たちは、五輪招致レースに勝ち抜いた実績をもつ国際的な広告代理店やコンサルティング会社は複数存在するにも関わらず、特定の一社に限定した、事実上の広告代理店一社体制は問題ではないかと指摘してきました。
 そこで、二〇二〇年の招致活動において、契約の改善をどう図るのか、所見を伺います。●5

 繰り返しになりますが、知事は先の所信表明において、被災地での競技なども通じて、日本が立ち直った姿を世界に披瀝すると述べられました。
 一方、地元地域や世論調査などでは、「オリンピックの招致予算を復興支援に回すべきだ」という都民・国民からの声も多く聞かれます。
 そこで、被災地への配慮もしっかり行っていかねばならないという点で、オリンピック招致活動時や開催時には、被災地の経済的支援を含めた復興につながるような対応をとるべきだと考えます。例えば、招致、開催事業の一部を被災した企業へ優先発注することや、競技の一部を復興後の被災地で開催することなどを検討すべきと考えますが、所見を伺います。●6

最後に、六・九億円の借入金について伺います。
 二〇一六年招致活動の際、NPO法人オリンピック・パラリンピック招致委員会は収入不足の六・九億円を広告代理店からの借入金という形で処理しました。
 その返済にあたっては、招致委員会が、スポーツ振興活動に賛同する企業、団体からの寄附金、そういった収入や事業収入を充てて返済し、東京都の公金の投入は行わないとされています。今後、新たにオリンピック招致を展開していくのに際し、この借入金をどうするのか、改めてはっきりさせなければなりません。そして、今後、招致予算の協賛企業を募る際、それぞれの企業に対し、この借入金について説明責任を果たす必要があると考えます。
 この借入金について、現状そのままであると思いますが、今後はどう対応していくのか、伺います。●7

 以上で、都議会民主党を代表しての質問を終えます。なお、答弁によっては、再質問を留保します。ご静聴ありがとうございました。