調査会長代行 増子 博樹(文京区)

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

まず、築地市場の移転問題について伺います。
しかし、今なお豊洲の安全性が確認されたとは言えません。また、築地市場・最大の団体である水産仲卸など関係者の合意が得られているとは言えません。
 そこでまず、豊洲の安全性についてです。
 先の代表質問で、石原知事も「豊洲移転は、汚染が除去されることが前提である」と述べましたが、何をもって、汚染が除去されたと確認するのでしょうか。
 東京都は、東京ガスが、都と協議しながら、当初計画を上回る対策を実施し、平成19年に完了届けを提出したなどもあり、東京都は、自らが調査をすることなく「豊洲は安全だ」などと喧伝してきたのです。
 しかし、土壌汚染を心配する都民の声に押されて、調査をしてみると高濃度の汚染物質が検出されました。こうした一事をもってしても、市場当局は、信頼されているとは言えません。
 東京都が、かつて「安全宣言」していたことについて、どのように総括しているのか、伺います。●2

 私たちは、豊洲の土壌汚染問題を議論していくなかで、当時の土壌汚染対策法附則第3条において、経過措置が設けられていることが、汚染の調査を不十分にしているのではないかと考え、平成19年8月7日に当時の民主党のネクスト環境大臣である末松義規(よしのり)議員に対して、同法の改正などを申し入れてきました。
 このような経過などもあり、昨年4月に、土壌汚染対策法が改正され、先日、その技術基準を定めた省令が公布されました。
 そこで、豊洲新市場予定地は、改正・土壌汚染対策法において、どのような指定がなされるのか。また、指定された区域は、どのような場合に解除されるのか、伺います。●3

 区域指定が解除されるのは、当該土地において土壌汚染が除去され、かつ地下水汚染が生じていない状態が2年間継続して確認されることだと言うことです。
 学者の提言や実験だけで「豊洲は安全」とは言えません。
 私は、少なくとも、当該土地において土壌汚染が除去され、かつ地下水汚染が生じていない状態が2年間継続して確認されることで、はじめて、豊洲新市場予定地は、安全だと言えるのだと考えます。
 知事が、移転の前提としている汚染の除去とは、どのような状況になって、はじめて安全が確認できると認識しているのか、見解を伺います。●4

 私は、地下水のモニタリングなど、実際に汚染がない状況が確認されない限り、安全・安心が確保されたとは言えないと考えます。
 石原知事が、移転の前提としている汚染の除去とは、今、中央卸売市場長が答弁したことの内容で本当にいいのか、石原知事の認識を確認したいと思います。●5

 6月末の報告書で、都民が安心するというのは認識不足ではないでしょうか。
 石原知事は、この間、専門家や技術者の知恵を借りながら、困難な課題を克服しようとしていますが、例えば、経済・港湾委員会における参考人質疑では、専門家の方と市場当局との説明とでは、相違が見られ、市場当局が都合よく解釈していないかどうか懸念するものです。
 例えば、不透水層の連続性について、1月19日の参考人質疑では、平田先生は「有楽町層が連続しているかどうかということになると、部分的にはやはり切れているところがあるかもしれません。それは明確にどういう地層であれ、完全に連続というのは基本的には考えにくい」と述べています。
 これは、市場当局が「豊洲地区の不透水層は、2メートルから20メートルの厚さで敷地全域にわたり連続して分布している」と答弁していた内容と違いませんか。見解を伺います。●6

 「明確にどういう地層であれ、完全に連続というのは基本的には考えにくい」と平田先生は述べているではないですか。
 また、私は、不透水層より深いところの調査も必要ではないかと指摘してきました。
 例えば、私は、平成19年11月の質疑において、粘土層内部の調査の必要性を質問しましたが、市場当局は「粘土層は水を通しにくく、汚染の可能性が低いため必要はない」と答弁していました。
 しかし、豊洲には、不透水層内でも汚染されているところがあり、また、5街区のように不透水層が浅いところでは、汚染が検出されても、その下2深度で汚染がないことを確認ができていない地点もあります。
 その結果、場合によっては、不透水層より深いところまでボーリングをして調査をする必要が出てくるのではないかと考えますが、確認します。●7

 つまり、結果として、不透水層より深いところまでボーリング調査をすると言うことですよね。
 また、市場当局の情報公開のあり方に対しては、ベンゾ(a(エー))ピレンの問題を公表してこなかったことに象徴されるように、市場関係者や都民は、信頼をしていません。
 1月19日の経港委の参考人質疑でも、平田先生は、ベンゾ(a)ピレンの存在について問われ、「なぜ公表しなかったんだということにつきましては、これは東京都といいますか、市場の関係者の落ち度であろうというふうに私は思っている」と明確に答えています。
 ベンゾ(a)ピレンや不透水層の欠落の問題発覚以降も、1万8千本の杭や埋設物などの問題が明らかになっています。
 これらの問題は、いずれも情報公開請求により明らかになったものであり、豊洲関連の公文書のなかには、市民団体や報道機関などから、複数回開示請求を受けて、その都度、市場当局が開示をするといったものが少なくありません。
 情報公開条例31条(情報公表制度)第2項では、このような文書については、公表するよう努めることとされています。
 市場当局としては、情報公開請求を受けて、その都度、開示に応じるような消極的な姿勢は改めるべきです。いかがでしょうか。●8

 土壌汚染対策では、情報公開だけでなく、クロスチェックも必要です。
 すでに東京都は、土対法で年4回以上とされている地下水の採取について「毎月実施していく」と答弁しましたが、クロスチェックについては否定的でした。
 そこで、2年間のモニタリングについては、関係団体や第三者とともに確認していくつもりがあるのか、見解を伺います。●9

次に、関係者の合意について伺います。
昭和61年1月、当時の鈴木俊一知事は、東京都首脳部会議で、現在地再整備は揺るぎのない東京都の方針であることを決定しました。
 私自身も、地元代議士秘書として、当時の築地本願寺での移転反対集会に参加し、その頃から、この問題に携わっています。現職都議としても、私一人ではないでしょうか。
 その後、紆余曲折があるなかで、平成10年4月に業界6団体が「臨海部への移転の可能性について調査・検討を願いたい」とする要望に対して、東京都が「現時点で、移転の可能性を見極めることは困難」とした上で「業界各団体の一致した意思等が確認できる文書の提出を」と求めました。
 こうした東京都の求めに応じて、水産仲卸は、一票投票を行いましたが、現在地再整備を機関決定しました。
 そこで伺いますが、なぜ当時、東京都は「業界各団体の一致した意思等が確認できる文書の提出」を求めたのか。現在のように、業界各団体の一致した意思がないまま移転を進めることは極めて強引と考えますが、見解を伺います。●10

 まず、はじめに6団体の合意を求めたのは東京都だということです。
 私たちが、各業界団体の意向調査を求めたことに対して、東京都は「改めて、意向調査を実施し、移転の是非を問う考えはない」と答弁していました。
 また、東京都は、移転反対を機関決定している築地市場最大の団体である水産仲卸について、移転の可否が分かれているといっていますが、今意向調査をすれば、現地に残りたいと考えている仲卸が大半であると考えます。
 また、青果の仲卸もしかりで、私も毎週のように築地市場を訪れますが、現場からの声を聞く限り、東京都の言っていることは、違うのではないでしょうか。
 私は、改めて、市場関係業者に対して意向調査を実施すべきと考えますが、見解を伺います。●11

次に、現在地再整備案について伺います。
そもそも石原知事は、「具体案が示されれば、検討することもやぶさかではない」と述べていましたが、今回の私たちの代表質問に対して、突然、「市場関係者の納得するものでなければ、どのような再整備案も机上の空論にすぎない」とスタンスを変えました。
 市場関係者が納得していないというのであれば、同じことではないでしょうか。
 知事の発言を聞いて、現在地再整備案を記者発表した団体もあり、それを机上の空論と切り捨てるのは、いかがなものでしょうか。
 もともと「具体案が示されれば、検討することもやぶさかではない」と述べていたのは石原知事です。何故、このわずか数ヶ月で、スタンスを変えたのか、見解を伺います。●12

 私たちに基本設計や実施設計を出せと言っているのであれば、筋違いです。
 私たちは、執行機関ではありません。私たち議会の権能を具体的に示すのであれば、それは条例案の提案や議案の賛否、修正です。
 また、晴海の都有地について、柳ヶ瀬議員の一般質問に対して、オリンピック・パラリンピック招致本部は「敷地内の道路の付け替えやオリンピック施設の一部での埠頭用地、公園敷地の一部を使用することを想定して、立候補ファイルを作成した」と答えています。
 また、築地市場の移転整備「疑問解消ブック」でも、都内の主な大規模用地の状況という資料が付されてていて、晴海地区では、オリンピックメインスタジアム予定地として約30ヘクタールと記されています。
 こうした東京都の資料をもとに、晴海の30ヘクタールを活用した再整備案が提示されていることは、何ら不思議ではないし、むしろ、15ヘクタールしかないと強弁している東京都の姿勢こそ不誠実ではないでしょうか。見解を伺います。●13

 オリンピックでできて、市場でできないわけがありません。
 現在地再整備を実現するために、今の築地市場から転配送的な機能を移転分散させることにいても検討する必要があるのではないでしょうか。
 予特資料によれば、築地市場の物流は、築地市場から他市場への通貨物が全取扱量の約3分の1、卸売場から仲卸売り場を経由して、スーパー・買い出し人等に行くものが約3分の1、卸売場から直接、スーパー・買い出し人等に行くものが3分の1弱という構成になっています。
 また、現在の築地市場は、首都圏の基幹市場という位置づけがなされていますが、一方で、築地市場の中には、都内の他の市場のように、いわゆる地域の都民の台所としての機能を有していると思われます。
 東京都は、今の市場機能から転配送的な機能を分散するということについて、どのように考えているのか。●14

 これは提案の内容次第ではないでしょうか。
 平成17年11月に策定された東京都卸売市場整備計画では、取扱数量やそれぞれの市場の果たす役割・機能、立地条件などを考慮し、市場のあり方を検討していくとしていました。
 この中で、特に、大田市場の水産部や足立の水産市場や葛西市場の青果部については、平成17年12月9日の経港委での松下玲子議員の質問に対して「それぞれの市場が果たしている役割や機能などを総合的に勘案し、各市場の機能強化、または再編統合など、必要な対策を検討していく」と答えています。
 そこで確認ですが、豊洲新市場の建設によって、影響を受ける市場、特に、大田市場の水産部ですが、こうした市場については、再編統合などが検討されることになるのか、見解を伺います。●15

 仮に豊洲新市場が建設されたとすると、比較的近い場所にある大田市場の水産部などは、極めて大きな影響を受けるものと考えます。
 このように市場にとっての立地条件は、大変重要であり、現在の築地市場における立地条件、すなわち大消費地である都心部に存在するということが、他の市場には見られない大きな特性・特徴になっているのではないでしょうか。
 私は、施設整備にあたっては、このように他には見られない築地市場の特性・特徴を踏まえて、それを適正に評価していくべきと考えますが、見解を伺います。●16

 築地市場は、築地にあってこその築地市場です。また、築地には、築地市場と一体となって発展してきた場外市場があります。
 新鮮で品数豊富な商品を提供している場外市場は、築地市場と一体となって「にぎわいと食文化」の拠点を形成しています。また、周辺には、浜離宮や汐留シオサイト、銀座や歌舞伎座・新橋演舞場など、多くの観光資源が集積し、日本有数の観光エリアを形成しています。
 築地市場の移転については、地元・中央区は、断固反対しており、万が一、市場が移転してしまった場合の次善の策として、「築地」を継承するプロの小口買い出し人が利用する鮮魚マーケットの設置などを打ち出していますが、これは食文化の拠点を失うことで、この地域が環境エリアとしての魅力を失うことを懸念しているからです。
 そこで、日本有数の観光エリアにおける築地市場と場外市場とが一体となって形成してきた食文化の拠点としての必要性について、見解を伺います。●17

 築地移転によって生じる地域の犠牲、食文化への影響といったお金では数えられない損失は、だれが負担するのでしょうか。
 そして、そもそも市場会計は誰のものなのでしょうか。昨年もこのテーマで質問しましたが、築地の市場用地は、もともと一般会計から現物出資されたのです。
 これを簡単に現金化して、市場の整備費に充てるということに疑問を感じます。
 また、地方から他の地方市場に荷物を転送したり、大手スーパーのために荷物を積み替えたりすることを否定はしませんが、その施設の整備のために、果たして本当に、築地という都民の財産を売り払わなければならないのでしょうか。
 中央卸売市場の機能・役割を考えた時に、私は、今の市場財政の枠組みに大きな疑問を感じます。
 昨年の予算特別委員会の私の質問に対して、東京都は「コストの縮減などの努力はもとより、財産の有効活用や適切な使用料水準の維持などに努めていく」と答えていましたが、少なくとも、私は、施設の機能に応じて国庫補助金の負担割合の引き上げを求めたり、空中権の活用を検討するなど、市場使用料に頼らない、さまざまな方策を検討していくべきと考えますが、見解を伺います。●18
 石原知事は、「民主党はもともと市場移転に賛成していた」と述べていますが、予算に賛成していたことをもって、諸手を挙げて賛成していたと思われるのは心外です。
 例えば、用地購入費が盛り込まれた20年度市場会計予算に賛成していますが、採決に当たり、私たちは、「豊洲新市場の用地取得について、少なくとも土壌汚染対策法と同等以上の調査を実施」することや「土壌汚染問題の解決や関係者の理解がないまま、強引な移転を行わないこと」などの附帯決議を提案してきました。
 予算成立後、平成20年5月には、豊洲地区から環境基準の4万3000倍を超えるベンゼンが検出され、都民の不安はますます高まりました。
 こうした時に、やはり一度立ち止まって、あらゆる方策を検討すべきだったのではないでしょうか。
 都議選後、石原知事は、「必要なら専門家を入れてもう一回検討したらいい」と述べていました。
 そして、私たちは、昨年の9月7日、石原知事に対して、検討機関を速やかに設置することを求め、その後も、代表質問などにおいて、再三、求めてきました。
 また、22年度予算案についても、平成20年度の決算委員会をはじめ、昨年12月21日の22年度予算編成に対する要望に際しても、現在地再整備の再検討を求めるとともに、用地購入費など、豊洲移転を強引に進める予算ついて安易に計上しないことを求めてきました。
 しかし、これら要望を一切聞き入れることなく、今日まで強引にことを運んできたのは、石原知事です。
 ここは立ち止まる最後のチャンスです。
 私たちは、強引な移転に反対しているのです。
 このまま、現在地再整備についての話し合いにすら応じようとしない姿勢を貫くのであれば、私たちは、話し合いのステージと時間を用意するためにも、豊洲関連予算については反対せざるを得ないということを申し上げ、次の質問に移ります。

次に、新銀行東京について伺います。
400億円の追加出資の激論が交わされた予算議会から、早いもので3年目の予算審議となりました。
 この間の景気は低調が続き、中小企業は厳しい経営環境の中、真水を求めて、すがる思いで金融機関を駆け巡っています。
 こういった経営者の最後の砦となるはずの新銀行東京は、今やまったくその趣旨を果たすことなく、自らの再建計画を履行するために、苦慮している状況にあります。
 なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか?
 東京都はその責任の所在を明確にするためにも、今回の銀行からなされた訴訟を待ちに待っていたはずです。
 その訴訟内容の全容は明らかにされておらず、都民から信託を受け、真意を問うべき議会としてもじれったい限りであります。
 新銀行東京の失敗は、もちろん旧経営陣によるところも大きいとは思いますが、では旧経営陣を任命した責任について、提訴に至ったこの段階において、改めて、その認識を伺います。●1
 新銀行東京の旧経営陣の任命に際しては、株主総会の議案に対して、東京都が機関決定をし、賛成したわけですから、当然、東京都にも、その責任があるものと考えますが、見解を伺います。●2

 石原知事は、たびたび新銀行の旧経営陣よる情報の粉飾があった、執行役員と取締役との風通しが悪かった、これが失敗の原因の一つだということを述べていました。
 一昨年の3月25日の予算特別委員会で、私たちは、新銀行マスタープランに載っていた執行役候補の人たちについて、どのような契約を結んでいたのかと質問しました。
 それに対して、産業労働局は、「税務協会における検討の組織の中に、顧問という形でこれらの候補者が契約により採用された」と答弁していました。
 また、「顧問としての契約をするときに、執行役の候補としての立場ということで顧問に就任をしていただいた」とも答弁していたわけですが、改めて、この答弁について、確認したいと思います。●3

 また、産業労働局長は「税務協会で、専門家たちに委託をした委託契約の書類の中身については、民民の契約なので明らかにはできない」旨答弁していました。
 明らかにできるかどうかは別にして、顧問という形で執行役の候補者と交わした契約書は、産業労働局で引き継いでいると理解していいのか。伺います。●4

 「引き継いでない」ということですが、では、どこにあるのですか。
 税務協会が結んだ新銀行東京にかかわる契約書や協定書、覚え書き、その他一式などについては、産業労働局で、引き継いでいないのか。伺います。●5

 東京都と税務協会が結んだ契約ではなく、税務協会が旧経営陣などと結んだ契約はどうしたのですか。
 税務協会が当事者となって東京都以外、特に旧経営陣と締結された書類については、どこが把握しているのか。●6

 先ほどの質問で、産業労働局は、「税務協会での検討組織の中に、顧問という形で契約した」とか「契約をするときに、執行役の候補としての立場ということで顧問に就任をしていただいた」と答弁していたことを確認しました。
 契約書などの書類一式がないなかで、なぜ、このような答弁ができたのでしょうか。伺います。●7

 一昨年3月11日の予算特別委員会で、山下太郎議員が「旧出納長室や新銀行設立本部、産業労働局、東京税務協会などにおいて書類の改ざん、破棄はないと断言できるのか」と質問したのに対し、産業労働局は「都においては、文書管理規程に基づいて、適切に管理されている」と答弁しています。
 そこで、改めて伺いますが、税務協会においては、契約書なども含めた新銀行関連の書類について、破棄などがないと断言できるのか。伺います。●8

 処務規定に基づき処理しているということだが、こうした状況のなかでは、関連文書を確実に保管すべきと考えるが、いかがでしょうか。●9

 また、新銀行設立にかかわる文書については、その責任が検証できるよう、適切な管理を求めるものですが、見解を伺います。●10

 文書管理規則に基づいて管理しているとのことだが、そうなると保存年限が終了したものは廃棄されるのではないか。その責任が検証できるよう、必要な保管をすべきですが、どうでしょうか。●11

 私たちは代表質問において、新銀行東京の失敗を招いた責任について「外部の専門家などを活用し、徹底的に検証すべきだ」と主張しましたが、産業労働局は「その責任については、司法の場で明らかになることが重要であり、改めて都が外部の専門家などにより検証を行う必要はない」と答弁しています。
 しかし、時間が経てば立つほど、設立当時の契約や書類は、破棄されたり、散逸してしまうおそれがないとも限りません。
 私は、改めて、東京都として、早期に外部の専門家などを活用することで、都民の多額の税金を損失してしまった責任を、徹底的に検証すべきと考えますが、見解を伺います。●12

次に、オリンピック・パラリンピック招致について伺います。

 

さて、平成17年に石原知事がトップダウンで打ち出した2016年招致は、残念な結果に終わりました。何が足りなかったのでしょうか。
 国内ムーブメントに関しては、IOCの世論調査で、東京の支持率が55.5%にとどまって4都市中最下位となり、総会の投票行動にネガティブなイメージを与えたという反省があります。
 この時、他の成熟国家であるアメリカ・シカゴの支持が67.3%で約12%、スペイン・マドリードの支持が84.9%で約30%、東京の支持率をいずれも上回っていたことから、招致委員会の報告書の、「成熟国家日本の現状から、1つの事柄で圧倒的多数の賛成を得ることはまれである」との成熟国家を理由とした分析は、トップダウンで始めた自らの招致活動を棚に上げるものであり、理解に苦しみます。そして、知事が旗振りした招致機運の低迷は、招致委員会の分析、「日本人の国民性から、招致を実現させようという能動的な行動に直ちに結びつかない」ことなどに課題があると、都も認識しているのか、見解を伺います。●1
国内ムーブメント推進経費の総額は83億8800万円、経費全体の56.5%を占め、このうち、都と区市町村によるオリンピックムーブメント共同推進事業は、256事業、総額9億4200万円、1270万人に及ぶ都民が参加したと報告されています。この人数は、都民のほとんどが参加したこととなるのですが、真夏の納涼花火大会も含まれ、招致機運を本当に高めたのかどうか判断が付かないものがあります。そして、招致に負けた後のオリンピックに関する「都への提言、要望」も、否定的と思われる意見が多く存在し続けていることから、都民にとって事業がレガシーとなり得たかどうか不明です。
そこで、これらの推進経費の効果を綿密に検証するべきと考えます。例えば、各区市町村などの事業実績報告書を公表して都民の声などの情報を共有するなど、国内ムーブメント推進に関する総括を一層充実したものとしていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。●2

 招致委員会は、2016年招致において寄付・協賛金が集まらず、電通から6億9000万円の借り入れを行うこととなりました。これは、招致機運の低迷も原因だと考えられます。
都民からの支持や寄付を集めるためには、知事トップダウンの招致ではなく、都民・国民が自ら望む招致が必要であったと認識するべきです。そして招致委員会が、スポーツ振興事業に取り組んでいくならば、既存の東京都スポーツ文化事業団との住み分けを考えるとともに、招致委員会が取り組むべきスポーツ振興とは何かを検討していく必要があります。
都は、役割を終えた官製NPO法人、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会を、都政にどう位置づけているのか、都の見解を伺います。●3

寄付金などの目標を達成できなかったことは委員会の努力不足であったと考えます。真摯に受け止めていただきたい。そして金融危機は日本だけの問題ではありません。原因の一つは招致機運の低迷にあったと考えています。
 次に国際プロモ-ションについて聞きます。東京は立候補都市に選定された後、招致に向けて国際プロモーション活動を推進してきました。その中で、海外コンサルタントたちが、IOCの世論調査時期を見通すことができなかったことは、大きな失点だったのではないでしょうか。支持の低迷は、IOC評価委員会によって東京の課題とされ、招致における失敗の遠因となったと考えます。招致委員会はコンサルタントに総額10億8581万円を投じています。海外コンサルタントを活用しても、招致を成功させることができなかった反省点について、都の見解を伺います。●4

 また、IOC総会での投票結果、東京の第1回目の得票数が22票、2回目の得票20票に対する分析も不十分と考えます。
 投票直前のIOC総会のプレゼンテーションにおいては、10分間の映像作成費が都議会で再三、指摘されてきましたが、プレゼンテーション関係費用にも注目しました。都に聞いたところ、スピーチ原稿の助言や翻訳費用、35分間の背景スライド作成費、リハーサル関係費、そしてプレゼンテーション総合監修費などの総額は2億714万円にのぼるということです。
 IOC総会のこれらの経費は、都が負担し、都民の負担となっていますが、これらの金額は妥当だと考えているのか、都民への説明が必要です。都の見解を伺います。●5

 プレゼンテーション関係費、見積もりは妥当と述べていますが、都が、電通に減額交渉を行った結果、5000万円の値引きが行われました。しかし、なぜ減額となったのか、説明が必要です。見解を伺います。●6

 IOC委員106人のうち、知事は、ローザンヌでのテクニカル・プレゼンテーションやシンガポールでのOCA総会、ベルリンでの世界陸上、そしてコペンハーゲンでのIOC総会などで61人のIOC委員に面会しました。そして、他の約40人も含めたIOC委員には竹田JOC会長など招致関係者が手分けをして関係構築にあたったと聞いています。
 こうした国際プロモーション活動を行った結果、東京がIOC総会で獲得した得票数について、JOCはどう分析し、どう評価しているのかを把握しているのでしょうか。見解を伺います。●7

 知事は、招致失敗の総括として、IOCや国際競技連盟の要職に強力な人材を送り込まねば、日本の招致は不可能と答えました。
 しかし、知事自身、敗れた東京招致の責任者としての自省の言葉がありません。リオのヌズマン会長のように国際プロモーション活動に専念できず、国際スポーツ界に大きな人脈もなく、知事は最終選考に挑みました。
 1995年ラグビーワールドカップで母国を優勝に導き、ロンドンオリンピック招致にも尽力した、南アフリカの元大統領、ネルソン・マンデラ氏は「スポーツには、世界を変える力があります。人々を鼓舞し、団結させる力があります。それは何ものにも代えがたいものです」と語っています。今回の招致では、最高責任者である知事が、このスポーツの力を信じて招致を推進させてきたのか、また、国内外であらゆる努力を惜しまずに取り組んだのかどうかが、問われています。
 招致に敗れた今、招致委員会会長としての役割は改めてどうあるべきと認識しているのか、知事自身は、汗をかき、その役割を十分果たしてきたと考えているのか、知事の見解を伺います。●8

次に、医療について伺います。
昨年も、この予算特別委員会で取り上げた女性医師の継続、復職支援についてです。
平成18年の医師歯科医師薬剤師調査では、全国ベースで39歳以下の女性医師が多い上位10科目に、小児科、産婦人科、産科などが入っており、約4割から5割強を女性が占めています。
 この女性医師たちが、出産を契機に退職してしまうと、近い将来から当分は医師不足が進行していくことにもなりかねないと指摘しました。
 平成20年の同調査結果がでました。小児科、産婦人科、いずれも39歳以下の女性医師の割合が増えております。これがさらに若くなって35歳以下で見ると、もう6割以上という診療科もあります。唯一下がっている産科も、男性医師が減り、女性医師はもっと減っているということで、パーセンテージが下がっているという状況です。
 ますます、女性医師の継続、復職支援が重要性を増しているといってよいかと思います。
 そこでまず、都内医療機関、特に、小児科、産科、産婦人科における女性医師の状況について伺います。●1
 都内で医師不足が言われている、産科、産婦人科、小児科の年齢別数値をみても、平成18年度39歳以下の年齢層で、女性医師の割合が高くなっています。この統計は、5歳刻みで年齢別の医師数をとっていますが、小児科が一番顕著です。39歳以下40.2%、34歳以下46.2%、29歳以下55.2%と、若くなればなるほど女性の占める割合が高くなっていきます。このことは、東京都としてもご承知のことと思います。そういう中で、まさに待ったなしの状況であると思います。
 昨年は、事業所内保育所の設置主体が保育事業者であっても、医療機関と契約して保育を行う場合も補助対象とする。これで必要なときに事業所内保育を提供できるようになる、との答弁を頂きました。このような事業所内保育所はどのくらいできたのか、伺います。●2

 夜勤や長時間労働などさまざまな課題への対応を図るため、短時間勤務の導入や当直体制の見直しなど、女性医師の働きやすい環境整備を支援するとのご答弁も頂いています。この制度の導入、利用実績はどうなっているのか、伺います●3

 十分足りているという状況には至っていないようです。医師の仕事の特殊性、あるいは待機児童の増加ともあわせ考えますと、既存施策に加えて、もう一歩踏み込んだ支援策を検討していただきたいと思います。
 例えば、医師専用保育所というものがあります。ここは、病児、病後児保育、月~土曜の朝7時から夜8時まで開園、突発的な延長保育への対応など、医師の仕事をサポートしようという、女性医師が自ら園長となり開設しています。
 出産後の復職時や子育て中の研究職医師のニーズへの対応として週2.3回の契約や、出産前から入所予約を受け付け、仕事復帰の調整がしやすくなるように配慮しています。
事業所内保育所や院内保育所がない病院勤務の医師にとっては、大変貴重であり、医師をサポートするような保育所をもっと増やしていくことが必要だと思います。
 私も視察しましたが、園長によれば、都の認証保育所の基準をクリアするように作ってあるとのお話でした。非常口、非常階段を新たに設置を行って2方向避難路を確保したとのことで、厨房施設や病児保育室への2重扉設置など、施設面も充実しています。
 この保育所は、週6日13時間で、食事おやつ代込み20万円の保育料です。この金額を聞いて、やはり医師はお金があるのだなと思われたでしょうか。しかし、若い医師にとっては大変高額な負担でしょう。
 では一方、保育所の運営費というのは、認可、認証、保育室で、それぞれどのようになっているのでしょうか、伺います。●4

 なかなかきれいに比較できる数字が出ませんでしたけども、認可保育所について今お答えいただいたのは、国の基本的なフレームでの運営費単価だけで、東京都では、他に都独自の補助金、子育て推進交付金を支出しています。さらに、各区市町村が法定外負担金として一般会計から補てんしている補助額、特別保育などの各種補助金は、入っていない額かと思います。またその他に、施設設備の整備費補助金は別に交付されています。
 また、実際の利用時間は人によって異なるのですが、紹介した保育所の保育時間はフルに利用して月312時間、認可保育所が延長保育1時間使っても、240時間位ですから、結構長いですね。
 認可保育所などは、16万3千円+αの公費が投入されていますが、この保育所は、すべて保護者負担で賄っているわけです。月額20万円の保育料を頂いても、設備投資にかかった資金は回収できないとのお話でした。
 都として、何らかの支援ができないということはないと思いますけれども、
 医師確保の観点から、事業所内保育所等がない病院勤務医師への保育所利用支援を求めるものですが、所見を伺います。●5

続けて、チーム医療の推進について伺います。
代表質問では、民主党も政策的に推進してきた、チーム医療、ナースプラクティショナー(以下NPと省略いたします。)を、都の医療政策においても、積極的に導入していただくことを求めました。
 本日は都立病院における、今日的な医療への取り組みの一環としてのチーム医療、その一員となる看護人材の育成推進という観点から伺います。
 医師の養成を増やしたと言っても、全国で年間360人、都内で35人です。しかも、その方達が医師になり、その後、現場を担うまでにはあと10年以上かかるのです。
 専門看護師、認定看護師、日本版NPなど、専門性を高めた人材の活用は、医療崩壊を食い止めていく上で、重要な役割を果たすと考えられます。
 高齢化が進み、生活習慣病や合併症をもつ患者が増加する中で、都立病院においても、複雑、高度化した疾病構造に対応していくことが求められています。
 そのため、各分野のスペシャリストが相互に連携しながら治療に当たるチーム医療がますます重要となってきます。チーム医療の推進には、医療人材の中で多数を占める看護師の役割は特に重要であり、専門職として、一人ひとりが質の高い看護サービスを提供できる能力を身につける必要があります。
 そこで、都立病院においては、チーム医療を進めるに当たり、重要な役割を果たす看護師の養成に、どのように取り組んできたのか伺います。●6

 チーム医療を進めていく上で、専門看護師や認定看護師など、核になる看護人材の育成は不可欠です。
 都立病院が組織をあげて専門看護師及び認定看護師の養成をしていることは評価でき、今後、その能力を発揮し、ますます活躍していただきたいと思います。
 そこで、都立病院において、専門看護師や認定看護師は、チーム医療の現場でどのように活躍しているか、その具体例を伺います。●7

 都立病院でも、認定看護師など専門的能力の高いナースの育成、活用に取り組み、医療の質向上や病院経営の改善に結びついてきているということで、さらに一層の取り組みが必要です。
 日本版NPは、医師の包括的指示の下、医療行為を行うことを前提に、すでに全国各地の大学院に養成課程ができ、既に卒業生を輩出しているところもあるのです。
 都立病院は、過去、7対1看護の導入や臨床研修医制度の変更に、多くの大病院が素早く対応したのに比べて、出遅れ、深刻な医師・看護師不足に陥ったことがあります。
 都立病院においても、制度化にあわせて、NPの養成、活用、そして、その職務に見合った処遇についても、迅速かつ積極的に対応していくよう強く求めておきます。

次に、防災対策について伺います。
都市整備局の実施する耐震改修促進事業では、昨年11月の局要求では約34億2千万円が要求されていましたが、査定の結果、約24億4千万円もの大きな減額がされ、予算案では要求額の約3割弱にあたる約9億8千万円しか認められていません。
 減額となった根拠としては、建築物の耐震化助成制度の利用が進まないことから予算の執行率が上がらず、予算だけ確保しても仕方がないというような判断があるのだろうと推察しております。
 そこでまず、耐震改修促進事業が大きく減額となったその理由について伺います。●1

 耐震化助成制度の利用が進まず、予算の執行率が低いことが大きな理由とのことですが、緊輸送道路沿道建築物と木造住宅の耐震化助成について、平成20年度の耐震診断・補強設計、耐震改修の利用状況はどのようであったか、予算で計画していた件数に対する利用件数と予算執行率をそれぞれ伺います。●2

 耐震改修促進事業の中で、木造住宅の耐震化のための助成制度では、局要求では耐震診断・補強設計が2千戸分、耐震改修が600戸分が要求されていましたが、予算案では、耐震診断・補強設計が3千5百戸に増やされ、耐震改修は逆に3百戸に減らされています。このように予算案で計画戸数を変更した理由は何か、伺います。●3

 要求段階では先の計画戸数に対して補助上限額をそれぞれ掛け合わせた1億7千6百万円が要求されていましたが、これまでの耐震化助成の予算計上の仕方を踏襲するならば、耐震診断・補強設計3千5百戸、耐震改修3百戸にそれぞれ補助上限額の2万5千円、21万円を掛け合わせた合計1億5千万円となるはずです。
 予算案9千百万円との約6千万円の乖離はどのように生じたのか、予算案での見積もりの根拠について伺います。●4

 ところで、木造住宅の耐震化助成の実施について、平成19年12月に策定された『「10年後の東京」への実行プログラム2008』や平成20年12月策定の『「10年後の東京」への実行プログラム2009』では耐震診断や耐震改修を年度ごとに何件実施するのか、年次計画が明示されていました。
 ところが、昨年12月策定の『「10年後の東京」への実行プログラム2010』では、この数字が消えています。
 あまりにも実績が上がらないために、目標の数値を示すのが恥ずかしくて消してしまったのでしょうか?非常に後ろ向きな印象を持ちます。
 実績は実績として示すとともに、目標についてもこれまで通り明示すべきであったと考えますが、所見を伺います。●5

 先日の代表質問において、木造住宅の耐震化助成の対象が「防災都市づくり推進計画」で指定された「整備地域」に限定されていますが、「地震に関する地域危険度測定調査報告書」で建物倒壊危険度が5である84地域のうち、23地域が整備地域に含まれていないことを指摘し、これらの地域も対象に含めてはどうかと提案しました。
 一方、火災危険度が5である84地域についてみると、整備地域に含まれていない地域は、建物倒壊危険度が5で整備地域の対象外となっている地域の約半分、12地域となっています。
 これは、整備地域の選定基準が、地域危険度5や火災危険度5に相当していることに加え、地域での老朽木造建物の割合が高いこと、平均不燃領域率が低いことを加味していることから、どちらかというと火災に弱い地域の方が整備地域に含まれやすいという傾向が現れているのではないかと考えています。
 しかし、一般都民の感覚からすれば、自分の家が建物倒壊危険度が高い地域にあるのに、あるいは火災危険度が高い地域にあるのに、なぜ耐震化助成の対象とならないのか、釈然としないのではないかと思います。
 木造住宅の耐震化助成制度の対象の拡大は、こうした都民の素朴な疑念を払拭し、制度により理解が得られると同時に、本来の趣旨からは外れますけれども、予算の執行率の上昇にも寄与することも期待できるのではないかと考えます。
 そこで、木造住宅の耐震化助成制度の対象地域を、現在の整備地域に加え、整備地域に指定されていない建物倒壊危険度5の地域と火災危険度5の地域をすべて対象とするよう拡大してはどうかと考えるものですが、改めて所見を伺います。●6

 昨年の予算委員会では、建物倒壊危険度と火災危険度がともに5である地域の約4分の1が整備地域に指定されていないことを指摘しました。
 これに対して今年1月に改定された「防災都市づくり推進計画」では、こうした地域はほぼすべてが整備地域に指定されました。この点については私たちも評価しています。
 財源を効率的、効果的に使いたい、そのためには的を絞る必要があるんだという説明は理解しますが、先程も申し上げましたように、建物倒壊危険度が高い地域なのに、火災危険度が高い地域なのに、どうして耐震化助成の対象になっていないのか、という都民の素朴な疑問に対して、いちいち技術的な説明をしなければならないというのは不自然なように思います。
 仮に私たちの主張するように拡大するとしても、その対象は都内の市街化区域、全5,099地域の中のたった34地域だけの話ですので、今後是非ご検討頂きたいと要望しておきます。

次に、景観まちづくりについて伺います。
『「10年後の東京」への実行プログラム2010』では、景観まちづくりに関連していくつかの新規施策が盛り込まれており、その実現に向け、平成22年度予算案でも新規事業として予算が計上されています。
 都市整備局予算では、歴史的建造物を中心とした景観形成事業が新規で5千万円計上されています。これにより、実行プログラムで示されている(仮称)歴史的景観形成ファンドの創設を進めていくものと理解しています。
 まず、この歴史的景観形成ファンドについて伺いますが、現段階ではどのような内容とすることを考えているのか、伺います。●1

 また、建物の修繕費用に対して一部を助成するということですが、歴史的建造物に価値を認める一方で、建物所有者に対しては保存に協力を求めるとともに、建て替えの抑制になりかねないわけでありますから、ファンドの制度を検討するにあたっては、所有者にとって使いやすく利用しやすい制度とすべきと考えますが、所見を伺います。●2

 私たちは、歴史的建造物の保存・活用を進めることに異論はありませんが、建物所有者の善意に頼るだけではなかなか進みません。
 建物所有者の立場からすれば、修繕費用だけを助成してもらっても困る、修繕後の維持・管理費用の負担や固定資産税・都市計画税の負担などを考えた場合に、建て替えた方が明らかに経済的に有利なケースが多いとも聞いており、今後の課題と考えていますので、ぜひ、これらの点についてもインセンティブが高まるような仕組みをご検討頂きたいと要望しておきます。

 ここまでは個別単体の歴史的建造物について伺って参りましたが、私たちは、せっかく保存した歴史的建造物をまちづくりの中で活用していくことも重要だと考えています。
 このことに関連して、産業労働局予算では、歴史的建造物等を活かした観光まちづくりが新規に1千8百万円計上されています。これは、実行プログラムでの歴史的建造物を核にした地域の魅力向上を実現するためのものだと考えていますが、ここまで触れてきた都市整備局事業と連動した事業展開を期待しています。
 歴史的建造物等を活かした観光まちづくりの具体的事業内容と、都市整備局事業との連携方策について、所見を伺います。●3

次に、観光振興について伺います。
昨年12月30日、鳩山政権が示した「新成長戦略」では、「環境・健康・観光で約100兆円の需要創造を目指す」として、観光振興にも大きな力を入れようとしているところです。
 しかし、その中身は、中国人に対するビザ取得の容易化や休暇取得を分散化するローカル・ホリデー制度の検討などにとどまっており、今年6月に予定される最終的な成長戦略のなかには、さらに具体的な施策が盛り込まれることを期待したいと思います。
 東京都としても、石原都政となって、観光施策については、積極的な取り組みを見せており、私も、東京都の観光振興を応援する立場から、今後の施策について確認したいと思います。

 まず、アニメ情報の発信についてですが、東京では、「東京国際アニメフェア」や「コミックマーケット」など、多くのポップカルチャー系イベントが開催されています。
 海外から訪れる観光客のなかには、日本のポップカルチャーに魅力を感じ、秋葉原や中野の「まんだらけ」だけでなく、アニメや漫画の舞台となった「聖地巡礼ツアー」を行う人もいるそうで、埼玉県の鷲宮町や神奈川県の箱根町には、外国人観光客を含めた「聖地巡礼者」が押し寄せる現象も起きているとの報道もありました。
 ムーミン好きな日本人が、フィンランドのムーミン村を訪ねるというイメージでしょうか。
 東京都においても、こうしたアニメや漫画の舞台となっている地域も多いと聞いており、その情報を積極的に世界に発信していくべきです。
 また、アニメの制作会社は、ほとんどが東京都内にあり、大手制作会社に近い、JR中央線や西武新宿線の沿線に集積していますが、こうした制作会社と連携した観光振興にも取り組んでくべきです。
 そこで、アニメを活用した今後の観光振興策について、見解を伺います。●1
(隅田川ルネッサンス)
 東京都は、これまで水辺空間の魅力向上として、運河ルネッサンスに取り組んできましたが、「10年後の東京」への実行プログラム2010では、新たに隅田川ルネッサンスを開始することとしています。
 運河ルネッサンスからイメージするのであれば、テラスを利用したレストランやイベントなど、賑わいの創出が考えられます。また、防災船着き場の利用拡大による新たな舟運ルートの開発も、期待されるところです。
 こうした取り組みを進めるにあたっては、テラスの整備を行う建設局、イベント等への支援を行う産業労働局をはじめ、さまざまな局がかかわることになります。
 隅田川ルネッサンス事業を成功させるためには、局の垣根を越えて進めていかなければなりませんが、今後、どのように取り組んでいくのか。
 全庁的な視点で総合的な調整を行う立場にある知事本局長の所見を伺います。●2

(隅田川景観)
 また、水辺空間の魅力向上を図るためには、まちづくりを含めた景観誘導に取り組んでいく必要があります。
 水辺から見る街並みは、ビルの向きが背中向きであったり、建物の高さや色彩などに統一感がなかったりという議論は、これまでも散々されてきたと思いますが、22年度予算案では、隅田川周辺の景観誘導のための調査費が計上されていることころです。
 そこで、東京都は、こうした調査を含め、今後、どのような景観誘導を進めていこうとしているのか、伺います。●3

(築地市場)
 また、隅田川を下っていけばそこには、築地市場があります。
 ここでは移転の是非でなく、純粋に築地市場の観光資源的な役割について質問しますが、昨年4月1日、旅行クチコミサイトであるトリップアドバイザーが発表した「外国人が最も注目した日本の観光スポット2008」によれば、築地市場がほかの観光スポットに倍以上のポイント差を付けて断トツの1位だったそうです。
 昨年9月の新聞報道では、観光などの目的で訪れた客の数が、休日で3万3138人、平日で1万3417人と上野動物園の1日の平均入場者数約9300人を超えたということです。
 しかし、東京都の観光政策は、例えば、平成19年に策定された観光振興プランは、平成23年度までの計画であるにもかかわらず、築地市場の活用に一切触れていません。
 観光資源の注目度が極めて高い築地市場については、短期になるか、長期になるかは別にして、東京都の観光振興策のなかにしっかりと位置づけるべきだと考えますが、見解を伺います。●4

 豊洲新市場では、観光資源化を図るということですが、昨年12月の一般質問で石原知事は、「築地は観光地ではない。あくまでも生鮮食品の流通の市場だ」と答えました。
 また「豊洲に築地が移転して、新しい観光地になったら結構じゃないですか」とも答えましたが、浜離宮や汐留、歌舞伎座、銀座などの立地特性を踏まえるのであれば、現在地再整備によって、観光的な位置づけがなされた方が、東京にとっても、日本にとっても、極めて有益であるように思いますが、見解を伺います。●5

(上野動物園)
 次に、上野動物園について伺います。
 石原知事は、2月12日の定例記者会見において、上野動物園へのジャイアントパンダの受け入れを発表しました。平成23年の早期に、つがい1組をという話でしたので、大いに期待しつつ今後の結果を待ちたいと思います。
 一方で、パンダがいない北海道の旭山動物園が、行動展示によって、全国から観光客を動員し、今や上野にせまる入場者数となっていることなどもあり、パンダだけに頼らない展示の工夫をすべきだという議論も聞かれました。
 すでに上野動物園では「Visit Zoo キャンペーン」を実施するとして、北極に住むホッキョクグマやアザラシの水中での行動を見せる水生動物展示施設を整備していますが、それこそパンダに負けない集客力を期待したいと思います。
 水生動物展示施設の施設整備の取り組み状況について伺います。●6

次に、雇用対策について伺います。
まず、非正規労働者の雇用環境の改善について伺います。
 近年、経済のグローバル化や労働法制の規制緩和等により、労働市場の流動化が進み、パートや派遣など、いわゆる非正規で働く方の割合が増加し、平成15年以降、全労働者の3割を超え、約1700万人前後で推移しています。
 有期契約で働く非正規労働者に関する国の調査では、生活を賄う主な収入源は自らの賃金とする回答が7割、職務は正社員と同等・同等以上の回答が5割以上であるなど、非正規労働者の多くは、正社員並みの職務につき、自らの生活を支えています。
 このように、非正規労働者は、正社員と同等に働く一方で賃金が低く、研修の機会にも恵まれないなど、正社員と大きな格差があるばかりか、不安定な雇用により将来の見通しも立てにくいといった状況に置かれています。
 本来であれば、正規、非正規にかかわらず、均等・均衡処遇が確立していれば、このような事態はもっと軽減されるのですが、現状は、一つの身分格差の様相を示しています。
 多岐にわたる非正規労働の課題の解決に向けて、企業、労働組合、そして、行政、それぞれの立場から積極的に取り組んでいかなければなりません。
 しかし、とりわけ、経営環境の厳しい中小企業では、非正規労働者の処遇改善が進んでおらず、こうした状況を改善していくためには、企業の自主的な取組に期待するだけでは不十分であり、都として積極的に支援していく必要があります。
 そこで、都は、非正規労働者の雇用環境の改善にどのように取り組んでいくのか伺います。●1
次に、職場のメンタルヘルス対策について伺います。
非正規労働者に対する処遇改善への支援とともに、職場におけるメンタルヘルス対策も重要です。
 多くの企業において、企業間競争の激化や経営環境の悪化等を背景に、成果主義の導入や人員削減が進められる中、長時間労働者が増加し、さらに仕事の高密度化や責任の増大など、仕事におけるストレス要因は大きくなっています。
 また、精神疾患による労災の申請状況をみると、この5年間でほぼ倍増しています。
 このように、仕事や職業生活に、強いストレスや不安を感じ、メンタルヘルス不調に陥る労働者が増加しています。
 都は、こうした現状についてどう認識しているのか、伺います。●2

 次に、メンタルヘルス不調者への対応はもちろん必要ですが、発生させないための予防策が何よりも大切であります。
 一度心の健康が損なわれると、労働者本人は長期に渡り苦しむことになり、それを理由に解雇に追い込まれ、生活に深刻な影響を及ぼします。また、支える家族の苦労も大きなものとなっています。
 企業にとっても、組織の活力やモチベーションの低下を招き、さらに医療費などのコストの増加にもつながります。その社会的逸失利益は、1兆円になるとの専門家の試算もあります。
 そこで、都は、職場のメンタルヘルス対策にどのように取り組むのか、伺います。●3