増子博樹(関連質疑 田中 良)平成21年第1回定例会 予算特別委員会 平成21(2009)年3月24日

*質問は予定稿ですので、実際の質問とは表現が異なります。正確には議事録をご参照ください。

中小企業について
まずはじめに、中小企業対策について伺います。
Q1 
 中小企業支援を目的に設立された新銀行東京の問題につきましては、後ほど、田中良議員の方から関連質問をさせていただき、私からは、制度融資について、質問させていただきます。
 昨年の夏以降、アメリカ発の金融危機が一気に世界に波及しました。
 日本でも、公共事業の前倒しや緊急保証制度、あるいは金利の引き下げなどを行ってきましたが、それでも、景気の先行きの対する不安はぬぐいきれず、最近では、伝統的な手法を超えて、日銀によるコマーシャルペーパーの買取など、旧来型によらない対策が打ち出されています。
 東京都でも、このような認識のもと、今回の「東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援に関する条例」の提案などに至ったのだと思います。
 いわゆる100年に一度といわれる経済状況のなかで、石原知事の施政方針表明の後も、GDPの落ち込みなど、さまざまな景気指標も出ていますが、まず、石原知事は、現在の状況をどのように認識しているのか、伺います。

Q2
 代表質問の繰り返しになりますが、中小企業にとっては、金利が低いことにこしたことはなく、一方で、預託金は金融機関に預けるお金であって、決して戻ってこないお金ではありません。
 こうしたことを踏まえれば、例えば、オリンピック基金にお金を積んだままにするのではなく、一時的にでも金融機関に預託することで、中小企業の円滑な資金供給に役立てるべきではないでしょうか。
 私は、預託金の積み増しなどによる中小企業への資金供給のさらなる円滑化を求めるものですが、見解を伺います。

Q3
 21年度予算案における制度融資の預託金は2250億円を計上し、前年度比390億円の増としています。
 昨年11月段階の局の要求の時点では、それより189億円多い、2439億円を要求し、制度融資の貸出金利を0.1%下げることなどを目的としていましたが、その後、短期プライムレートが下がったことなどから、予算額が2250億円に落ち着いたと聞いています。
 答弁にもあったように、東京都は本年4月から政策金利を引き下げると聞いていますが、それは単に短プラの補記下げに対応しただけではなく、東京都が低金利への誘導を行った結果と言えるのか、見解を伺います。

Q4
 さらに、経済対策では、真水と言うことが盛んに言われはじめています。
 制度融資の枠を拡大することだけでは、真水の拡大にはならないのですが、100年に一度と言われる経済状況のなかで、また、国においても、従来の枠にとらわれない新たな中小企業支援策を講じようとしています。
 東京都としても、例えば、中小企業に対する利子補給など、具体的な財政出動なども含めた支援策を改めて検討していくべきであると考えますが、見解を伺います。

(意見)
 100年に一度と言われる経済状況のなかで、旧来型にとらわれない中小企業対策に是非とも取り組むべきだと要望しておきます。

まちづくりについて
Q1
 まず、昨年の第4回定例会でも、我が会派の大塚たかあき議員が一般質問で取り上げていた、東京中央郵便局の建て替えを事例として議論していきたいと思います。
 2月26日の鳩山邦夫総務大臣の発言以降、東京中央郵便局の建て替え問題に注目が集まりましたが、日本郵政が計画の見直しを行った結果、保存部分を当初計画の2倍強に拡大することで文化庁などと合意し、今後は完成後の文化財登録を目指して文化庁と協議を継続することになり、事態はとりあえずのところ、決着をみたようです。
 日本郵政は保存部分を当初計画の2倍強に拡大するとしたわけですが、拡大された保存部分、建物の北東側は、もともと地中の連続壁を施工できないため、地下の躯体が更新できず、必要な耐力が確保できない、技術的に不可能だという理由で、一旦全部取り壊してから再現するという方法が採用されたはずです。
 建物の北東部分を保存することにしたことで、例えば、都市計画の内容では道路境界線から壁面を2m下げなければならないことになっているわけですが、ここからはみ出てしまう、つまり壁面位置の変更が必要になってしまう可能性が考えられるわけです。このように、先の都市計画決定に整合しなくなってしまった場合の対応、必要な手続きについて伺います。(都市整備局)

Q2
 歴史的価値のある近代建築物では、一部を保存・復元し、上部に高層棟を配置する方法がとられることが見受けられます。
 例えば、中央郵便局の周辺では、1993年竣工の銀行倶楽部(旧・東京銀行協会ビルディング)、94年の大手町野村ビル、2003年の日本工業倶楽部などの例があります。
 このような事例を見ますと、全体の約3分の1を残して登録有形文化財であり続ける日本工業倶楽部のようなケースがある一方で、銀行倶楽部や大手町野村ビルのように外壁の一部だけを残し、高層ビルの下の方の層に薄い皮のように張り付けた、いわば「腰巻き保存」のようなケースもあります。
 銀座の歌舞伎座も解体して立て替えられる予定になっていますが、完成予想図を見る限りでは同じようなデザインとなっているように思います。
 これらのデザインをどのように評価するのかは、いろいろ意見が分かれると思いますが、私の個人的な意見としては、一部を残して、異なるデザインで高層化する建築物には違和感がありますし、このように一部だけを残すという手法で文化財級の歴史的建築物が守れると本当に言えるのか、少し疑問に思っているところです。
 歴史的建築物の保存活用のためには、私はむしろ、動態的保全と呼ばれる、例えば既存の建物を改修して用途転換するコンバージョンの手法や、ニューヨークで採用されている、一つの地区全体として歴史的環境保全を行うヒストリック・ディストリクト制度の活用などが有効ではないかと考えています。
 そこで、動態的保全手法を用いた歴史的建造物の保全について、見解を伺います。(都市整備局)

Q3
 中央郵便局の歴史検討委員会は、事業採算性も勘案し、中央郵便局を全面保存する場合には、保存建物の床面積相当の容積も含め、街区以外に移転させられる仕組みが必要であると指摘しています。
 また、余った容積を、特例容積率適用地区以外の他地区に移転させられる新たな仕組みが考えられるのではないかと思います。
 例えば、アメリカ・ロサンゼルスでは図書館の模様替え工事費を捻出するため、公園の未利用容積を譲渡して資金を捻出した例があると聞きますし、ニューヨークではTDR制度(Transferable Development Rights)と呼ばれる開発権の移転制度があります。
 国の法改正も必要ではあると思いますが、文化財級の歴史的建造物を保存するために、このような事例を参考にしつつ、都から国に対して新しい制度の提案や協議を働きかける余地があるのではないかと考えますが、所見を伺います。(都市整備局)
次に、震災対策について伺います。

Q4
 都の防災都市づくり推進計画では、地域危険度のうち、建物倒壊危険度が5、及び火災危険度5に相当し、老朽木造建物棟数が1ヘクタールあたり30棟以上の町丁目を含み、、平均不燃領域率が60%未満である区域とその連担する区域が、整備地域選定の基準となっています。
 地域危険度は、平成14年に公表された第5回の「地震に関する地域危険度測定調査報告書」のデータが採用されています。
 このデータを見ますと、整備地域の選定基準の一つとなっている建物倒壊危険度5に該当する地域は、83地域あるのですが、このうち整備地域に含まれているのは51地域と6割にとどまっています。
 さらに、建物倒壊度が5で、火災危険度も5となっている地域は24地域で、この4分の1にあたる6地域が整備地域に含まれていません。例えば、私の地元の文京区で言えば、根津2丁目がこれに該当しています。
 都は、整備地域内における木造住宅の耐震化に対して助成を行っていますが、民主党は、これまで都内全域で制度を適用するよう、範囲の拡大を求めてきました。実際、例えば、整備地域のない三鷹市や狛江市などからは、自治体から耐震化促進制度創設の要望が出されています。
 現段階で耐震化促進制度の都内全域での適用が困難であるならば、まずは第一歩として、せめて建物倒壊危険度5の地域はすべて、あるいは建物倒壊危険度と火災危険度がともに5であるような地域に拡大してはどうかと考えるものですが、所見を伺います。(都市整備局)

Q5
 一方、昨年2月、地域危険度の第6回の調査結果が公表されています。このデータと第5回調査のデータを比較すると、建物倒壊危険度5の地域は約4分の1が入れ替わっており、火災危険度が5の地域では、約半分の地域が入れ替わっています。
 地域危険度は相対評価ですので、危険度が改善した地域があって、その一方で危険度がよりクローズアップされてきた地域もあるというように理解しておりますが、このような新しい調査結果を、防災都市づくり推進計画に反映させ、早急にリニューアルすべきと考えますが、所見を伺います。(都市整備局)

医療について
代表質問では、医療計画、NICUの整備目標1.5倍、300床に、周産期の救急搬送先を都域で調整するコーディネート機能の設置、救急医や産科医への手当など、高度医療を中心としてうかがいました。こうした対策で、危機に瀕している急場をなんとかしのいでいけるように、しっかりとした執行をしていただきたいと思います。
   その上で、さらに現場を疲弊させ、医師不足を生み出している原因そのものについても、きちんとした対策を打ち出していただきたいと思いますので何点か伺って参ります。

Q1 昨年そして、1定の代表質問で、疲弊する2次医療機関への対策として、初期救急の充実を取り上げました。フリーアクセス、応招義務がセットになっている我が国の医療制度の下、患者は軽症でも救急病院に行きたいと思えば行って見てもらうことができますから、コンビニ受診が問題となっています。
 都は区市町村が実施する初期救急事業の支援、救急ルールなどの取り組みを進めてきたことは理解しますが、状況は改善されておらず、さらなる対策が必要です。
 例えば、夜間診療を行おうとする開業医への補助、医師数が特に不足している地域への開業誘導策などは、本来は国の診療報酬や補助制度で不足する医療を充足させるための誘導策が講じられるべきではあります。しかし、東京の医療を守るためには、都が率先して考えていかなければならないと思いますが、見解を伺います。●

Q2 私は、昨年の一般質問で、転院問題を取り上げ、患者の退院調整をするメディカルソーシャルワーカーがレベルを上げたり、必要な医療機関情報を容易に取得できるように、都として後押ししていくことや、異なる機能を持った医療機関が、患者の状態に応じた役割分担を行うため、診療の流れをあらかじめ提示し、連携して医療を提供する地域連携クリティカルパスの普及について都の見解を伺いました。
 特に高齢者の転退院問題は、自宅療養、再度悪化した場合に適切な医療が受けられるのかなどといった不安から、患者、家族にとっては相変わらず大きな悩みです。
 その後、平成20年度の診療報酬改定でクリティカルパスが算定され、都内でもパスができていると聞いていますが、都としてどのように把握しているのか伺います。●

Q3 患者の安心、納得にも資する取り組みですが、医療崩壊が目の前の現実となる今、すべての人が必要な医療を受けられる体制を守っていくため、限られた資源を効率的に使い、病院の機能に応じた転院、退院後の在宅医療・在宅支援とのスムーズな接続はますます重要となっています。
 こうした取り組みの普及のため事例の情報交換、ノウハウの標準化に取り組んでいただきたいと考えますが、都の見解を伺います。●

 今後とも、地域連携クリティカルパスの普及、また転退院調整の支援について取り組んで頂きたいと思います。

Q4 続いて医師確保策について伺います。
 医師に限らず働く女性のワークライフバランスの推進は、出産・育児・看護休暇、復職後の仕事確保、勤務時間の短縮などの柔軟な勤務形態といった職場環境の整備と、保育所の確保とが車の両輪となって実現するものであり、都として取り組んでいかなければならない課題です。
 中でも、医師不足が顕著な今、国家試験合格者の3割以上を占める女性医師が、医師として修行を積む時期でもある、20代から30代にかけて、キャリアを中断することなく医師として働き続けていける環境づくりは、喫緊の課題です。
 東京都医師会が女性医師に行ったアンケートでは、仕事と家庭の両立を図るために必要な支援策として、託児所保育園等の整備・拡充と答えた方が82%です。保育所で悩む女性医師は非常に多くいらっしゃいます。
 そこで、院内保育所の整備状況はどのようになっているのか、また整備する上での課題を都として把握しているか、伺います。●

 院内保育所は、若い医師は短いサイクルで勤務先が変わる、ラッシュの電車通勤や車の渋滞など、子どもへの影響が不安で、常時の保育よりは、病児・病後児、夜間保育など一時的な保育への期待が多く、限られたものとならざるを得ないのではないかとの意見もあるようです。利用者側のニーズもしっかりと把握されるよう求めておきます。

 厚生労働省の平成18年医師・歯科医師・薬剤師調査では、都内に働く女性医師は7,992人で、そのうち39歳以下の方は4,360人と半分以上です。
 さらに全国ベースの診療科目、年齢、性、別の医師数を分析しますと、39歳以下の女性医師が多い、上位10科目には、医師不足が顕著と言われる小児科42.6%、産婦人科49.5%、産科56.2%、麻酔科41.3%が入っており、半数近くが女性医師です。
 この女性医師達が、出産を機に退職してしまうと、将来にわたって医師不足は深刻化していく、ということにもなろうかと思います。

Q5 私は、先日、医師専用保育所を視察しました。木を基調とした園内はたいへん明るく、保育内容も病児保育、病後児保育、週2~3日の保育、出産前からの入園予約、朝7時から夜8時までの開園、突発ニーズへの対応など医師の仕事に配慮した運営をされているとのことでした。
 しかし、ここは無認可保育所であり行政からの補助がないため、保育料が、週6日一日13時間で20万円と、医師と言えども若い勤務医師にとっては高額です。
 私は、こうした保育所の整備や運営、保護者負担に対して、何らかの公的支援が必要と考えます。
 例えば、都は事業主が設置する事業所内保育所や院内保育所に補助していますが、これがない場合には、保育手当を支給する病院に対し補助する、院内保育・事業所内保育の補助対象を拡大して、医師の就業継続を支援するような保育所にも補助するなど、さまざまな方法が考えられます。
 都内の待機児童の状況、現在の医師不足、医師確保の重要性に鑑みれば、院内保育所など既存制度に加えての取り組み、しかも速効性のある対策が必要です。
  (だいぶ長くなりましたが、こうしたことから)
 女性医師の保育について都としてのさらなる支援方法を検討するべきではないかと考えますがご所見を伺います。●

 区によっても違いますが、認可保育所の0歳児保育では一月30万円から60万円かけて保育をしているわけです。他にも認証保育所、保育室、保育ママなどさまざまな保育に公的支援が行われています。
 同じように保育を必要としていながら、保育所などに入れた方とそうでない方でオールオアナッシングなわけですから、待機児童が本当にゼロになる迄は、必要な保育サービスを受けられない方への支援のあり方について、柔軟に考えていただきたいと思います。

教育について
Q1 昨年から始まった学校支援地域本部事業は、人材に恵まれると非常にうまくいきます。希望する区市町村が実施でき、都内全域に広まると、よい効果をもたらすと思いますが、現在の実施状況について伺います。●

Q2 平成20年度から取り組み始めている区市町村を見ると、3年間という時限のある委託事業として始まったことから、4年目以降への継続性について不安があったようです。
 この事業を広げていくためには、安定して事業を実施していけるようにする必要があると考えますが、21年度以降の状況と都の対応を伺います。●

Q3 国でもモデル的に実施してきた委託事業とあわせて21年度から補助事業化されるとのことで、都と区がこの事業を評価し、実施する意思があれば将来も継続できることと思います。
 この事業は、地域に学校を応援しようという雰囲気ができるいいきっかけになると考えます。都としても、この事業に取り組む区市町村を応援していっていただきたいと思います。
 特にコーディネーターの確保については、その活動内容が、学校内の図書館の整理、授業の支援といった、学校側のニーズと学校外の人材が提供できるシーズとのコーディネートだが、必要なノウハウが全く異なる、多様な役割が期待されるため、なかなか全体を調整できる適切な人材が見つかりません。
 教員OBやPTA経験者など学校の事情がわかる人、外との連絡交渉が柔軟にできる人、などがチームとなってコーディネーターを担っている例もあり、どのようにしたらうまくいくのか、それぞれの取り組みを互いに情報交換する場などが必要です。
 こうしたことは、都だからこそできる、都でなければできないことだと考えます。
 都はどのように区市町村を支援していくのか、伺います。●

 幼児教育は、子どもの発達段階に応じた情操教育、またプレスクール、小学校就学前に集団行動など社会規範を身につける意味でも大変重要なものです。
 国政レベルでも幼児教育の無償化が議論されています。経常費補助金は、都道府県によってさまざまな補助方法となっているため一概には言えませんが都の私学助成、ひとりあたり単価の全国的位置は、高くはないようです。

Q4.そこで伺いますが、幼稚園の経常費補助の考え方はどのようなものか、また、小・中・高等学校と異なる点は何か、伺います。

Q5.小・中・高は、公立の運営費の実績値の1/2ということで、経常費補助をおこなっており、公私格差是正という効果もあると思います。
 一方、幼稚園は、私立幼稚園の決算値から運営費を算出しているとのことです。
 公立に比べて人件費等が低い私立の決算値を平均したのでは、補助額はなかなか上がっていかないのではないでしょうか。都全体では私立幼稚園が868、公立幼稚園が214、国立が2園です。しかし、文京区では区立幼稚園が10園、国立2園、私立16園、ほぼ半々です。
 こうした状況で公立と私立の財政格差を見ると、歴然としてしまいます。
 例えば、平成16年の数値ですが国の調査では、公立の平均給与は月32万3700円、私立は20万400円と全国平均では月12万円余の差があります。
 これが東京都になると、公立の平均が37万円4千円であるのに対し、私立の平均は21万8千円と15万円余の差となっています。
 この給与格差の元でもありますが、平均勤続年数が公立は20.5年であるのに対し、私立は8.2年と、なかなか教諭が定着しづらいことも読み取れます。
 安定的補助金である経常費補助を充実させるべきではないかと考えますが、見解を伺います。

 経常費補助以外にもさまざまな補助があるので、単純比較は難しいですが、幼稚園の経常費補助は、改善の余地が大きいように思います。幼稚園の安定的な財源確保を常に考え続けていくことは必要です。今後とも充実に努めていただくことを求めておきます。

中央卸売市場について

 

Q1
 次に、築地市場の移転問題について伺います。
 築地市場の現在地再整備については、種地が場内又は隣接地に約4.5ヘクタール必要だといわれています。もちろん、種地が場内又は隣接地にあるにことにこしたことはありませんが、それが絶対条件だというのは疑問です。
 かつて、東京都は、汐留国鉄跡地の一時利用なども検討していました。また、晴海地区の利用については、平成2年7月5日の第二回定例会において、自民党の立石晴康議員が「例えば荷さばき場、駐車場、資材置き場など市場施設を設け、船輸送により晴海と築地を有機的に結びつけ、再整備を円滑に進める必要がある」と質問したのに対して、東京都は、「ご指摘の再整備工事中の晴海見本市会場跡地利用に関しては、今後、豊洲・晴海開発整備計画との調整が必要であり、関係機関と十分協議していく」と答弁していました。
 つまり、築地市場の現在地再整備のために晴海を一時的に活用することは、敷地が離れているからダメだというよりは、行政計画である「豊洲・晴海開発整備計画」との調整が課題であると言っているのです。
 当時の答弁について、どのように考えているのか、伺います。

Q2
 また、現在の築地市場の敷地は23ヘクタールですが、先日発表されたオリンピック立候補ファイルでは、晴海のメインスタジアムの会場面積を38.1ヘクタールと定め、そのうち都有地は、晴海5丁目だけでも約31ヘクタールを占めています。
 東京都は、「晴海地区は面積が狭小で交通のアクセスも非常に不便だ」と言ってきましたが、オリンピックのメインスタジアムのためなら31ヘクタールが確保できるというのであっては、都民は納得できません。
 また、立候補ファイルでは、晴海と隣の豊海町との運河の上に新たな橋をつくったり、大江戸線勝どき駅の駅を拡張するなど、新たなインフラを整備することも盛り込んでいます。
 市場移転先としては、まず豊洲への移転が大前提で、他の移転候補地については、真剣に検討してこなかったようにも思われますが、見解を伺います。

Q3
 豊洲というのは、平成10年4月に、市場業界団体が、臨海部への移転可能性について調査・検討をお願いした際に、「具体的には豊洲を想定している」と口頭で補足説明したというのがもとになっていると思われます。
 さて、現在地再整備の事業費については、平成2年の基本設計策定時には、おおむね2380億円と試算していましたが、平成7年11月発表の「とうきょうプラン95」策定時の試算では3400億円と、約1000億円の増額になりました。
 この3400億円の財源確保について、東京都は、平成8年3月25日の予算特別委員会において、「築地市場再整備に投入できる資金は相当厳しい」との認識を示しつつも、「市場運営経費及び現行整備計画の合理的見直しなど、財源確保のための可能な限りの努力をする」と述べていました。
 また当時、東京都は、確かに国に対して「地方交付税不交付団体に対する中央卸売市場施設整備費国庫補助金の財源調整措置の廃止」を重点事項として提案要求していました。しかし、平成17年6月以降は、重点事項から外されるなど、財源確保をあきらめたようにも思われます。 
 財源不足を理由に、現在地再整備が困難だというのであれば、3400億円が試算された平成7年の時点で、困難だという結論に達していても、おかしくなかったと思われますが、当時の財政状況と併せて、見解を伺います。

Q4
 ただ平成7年当時には2800億円あった建設改良積立金が、平成19年度末で1600億円にまで減ってしまったことをもって、財政的に困難になったというのは、いかがなものでしょうか。
 平成14年に作成された「市場財政白書」によると「神田市場跡地などの市場用地は、昭和39年の公営企業会計への移行に伴い、一般会計から現物出資されたものであり、市場の事業収入により取得したものではない」とした上で「特殊な要因によって生じた利益であるので、経常的な収支から切り離し、施設整備等の事業など資産の維持拡大を図るための再投資の財源として活用すべきである」としています。
 しかし、この論からすると、いずれ市場会計の留保資金が底をついた場合、また、どこかの市場を移転・廃止するなどして、用地を売却しなかれば施設の整備ができなくなり、この構図は破綻するのではないかと思われますが、見解を伺います。

Q5
 市場用地の売却収入を見込まなければ、健全性が保てない市場会計のあり方にも問題はあるのではないでしょうか。
 築地に限らず市場用地は、そもそも一般会計から現物出資されたものです。であれば、出資を受けている市場会計は、出資者である都民に対して、説明責任を果たすべきです。
 かつて、市場財政白書というものが、平成10年に発行され、その後、平成14年5月までに計4回発行されましたが、それ以降、現在まで発行されていません。
 私は、こうした市場財政の現状について、改めて、都民に分かりやすい形で明らかにすべきであると考えますが、見解を伺います。

Q6
 できるだけ速やかに白書などの作成・発表を要望しておきます。
 また、築地市場の移転問題は、豊洲と築地だけの問題にとどまりません。
 市場関係者やその取引先、築地場外や地元住民、地元自治体などにとっても大きな影響があります。
 そして何よりも、日本の食文化の中心である築地が、世界にも冠たる存在であることに誇りを持つとともに、その築地市場が、汚染された土地に移転してしまうことに不安を感じている多くの都民・国民に対して、東京都は、真摯に説明すべきです。
 築地市場の移転問題に関して、東京都としても、シンポジウムや公開討論会の開催するとともに、関係団体からの出席要請があれば、積極的に説明責任を果たしていくべきと考えますが、見解を伺います。

(意見)
 今、るる聞いてきましたが、やはり種地の問題でも財政の問題でも、時間の経過とともに、自ら選択肢を狭めてきたのではないかと思います。
 築地市場の移転問題については、未だに多くの都民が疑問を抱いています。
 今の答弁にもありましたように、シンポジウムや公開討論会の開催、あるいは、関係団体からの要請があれば、積極的に対応するなど、東京都として説明責任を果たしていただくことを求めておきます

地域力向上について
次に、地域力の向上についてです。

 安全・安心の確保など地域をより良くしていくためには、住民の皆さんそして町会や自治会など地域型組織とともに、事業所の位置付けも重要で、自治体などと連携して地域全体がその底上げに向けて取り組んでいかねばなりません。
 一方、それら団体の多くで、人材不足が深刻であるため、私は、新たな手立てを講じていくべきだと考えています。
 安全で災害に強い地域コミュニティをつくっていくために、常備消防だけでなく、地域の住民で構成されている消防団の皆さんが大きな役割を担っています。しかし、社会環境の変化により、その基盤を支える団員数が年々減少し、昼間の地域防災力の低下など、機能の充実が課題となっています。
 そこで東京消防庁は、「消防団協力事業所表示制度」を始め、入団を促進する取り組みを行っています。
   
Q1 また、事業所が、地域防災などの社会貢献を推進していくためには、その活動に効果をもたらす取り組みが重要だと言われています。それは消防団活動へ協力していることのPRや資格取得の特例措置などが挙げられますが、長野県では、消防団活動に協力している事業所に応援減税を開始しました。
 都においても、低炭素型都市の実現に向け、事業者の自主的な省エネ努力へのインセンティブとして、東京版環境減税を実施します。
 そこで、事業者が、都が目指す、災害に強い都市の一端を担うきっかけとして、減税を行うなどの手法が、今後検討されても良いのではないかと考えるものです。見解を伺います。●

Q2 政策税制からの検討が必要だと考えます。
 
 都は、入札契約制度改革として、企業の社会貢献をどのように評価していくのかを、今年夏頃に向けて検討していると伺っています。都は既に、環境や福祉の観点からの優遇措置を取り入れています。
 最近は、他県や政令市においても、防災協力や消防団雇用、子育て支援、女性の働きやすさなど、多様な地域貢献を加味した評価を取り入れ始めています。 
 私は、都においても、消防団員雇用やボランティア活動などの地域・社会貢献に協力している事業所への入札契約制度における評価を検討、実施していくべきと考えますが、見解を伺います。●

是非、東京の地域力向上のために検討を進めていただくことを求めます。